大久保容疑者(時事通信フォト)

 だが、厚労省の担当者も、海外の医学部卒業を騙る事案については、「記憶の限り、聞いたことがない」という。それというのも、受験資格認定には提出書類など厳格な定めがあるからだ。

「卒業証書の写しはもちろん、履修した教科課程、時間を示す書類とその日本語訳もつけてもらう。当該国の大使館、領事館などで、記載内容が事実であると確認された証明も必要です」(同前)

 ただ、興味深いのは海外の医学部を卒業後に日本の医師免許を取得する人向けの“ガイドブック”の存在だ。『医師国家試験 受験資格認定』と題された電子書籍は、山本容疑者と同姓同名の人物が編者で、大久保容疑者はツイッターで自身の著書だと明かしている。必要書類の作成、手続きの煩雑さを解説しており、不正を指南する内容は見当たらないが、厚労省のやり方を“熟知”していることが窺える。

 書類の偽造などによる不正取得は可能なのか。前出・上氏はこうみる。

「いくら大久保容疑者が関連部署にいても、課長補佐クラスだったといいますから、周りのチェックなしに不正に手を貸すのは難しいはず。海外の医学部から日本で医師を目指すケースがまだ少なかった時代なので、厳格に調べられていたとも思われる。不正の具体的な方法は想像がつかない」

 医師免許制度は、医師への信頼の根幹のひとつだ。それが揺らぐことがあってはならない。嘱託殺人の経緯とともに、全容解明が求められる。

※週刊ポスト2020年8月14・21日号

関連記事

トピックス

五輪出場を辞退した宮田
女子体操エース・宮田笙子の出場辞退で“犯人探し”騒動 池谷幸雄氏も証言「体操選手とたばこ」の腐れ縁
女性セブン
熱愛を報じられたことがないSixTONESジェシー
《綾瀬はるかと真剣交際》熱愛を報じられたことがないSixTONESジェシー「本当に好きな彼女ができた」「いまが本当に幸せ」と惚気けていた
女性セブン
伊藤被告。Twitterでは多くの自撮り写真を公開していた
【29歳パパ活女子に懲役5年6か月】法廷で明かされた激動の半生「14歳から援助交際」「友人の借金を押しつけられネカフェ生活」「2度の窃盗歴」
NEWSポストセブン
池江
《復活を遂げた池江璃花子》“母離れ”して心酔するコーチ、マイケル・ボール氏 口癖は「自分を信じろ」 日を追うごとに深まった師弟関係
女性セブン
中学の時から才能は抜群だったという宮田笙子(時事通信フォト)
宮田笙子「喫煙&飲酒」五輪代表辞退騒動に金メダル5個の“体操界のレジェンド”が苦言「協会の責任だ」
週刊ポスト
熱愛が発覚した綾瀬はるかとジェシー
《SixTONESジェシーと綾瀬はるかの熱愛シーン》2人で迎えた“バースデーの瞬間”「花とワインを手に、彼女が待つ高級マンションへ」
NEWSポストセブン
熱い男・松岡修造
【パリ五輪中継クルーの“円安受難”】松岡修造も格安ホテル 突貫工事のプレスセンターは「冷房の効きが悪い」、本番では蒸し風呂状態か
女性セブン
綾瀬はるかが交際
《綾瀬はるか&SixTONESジェシーが真剣交際》出会いは『リボルバー・リリー』 クランクアップ後に交際発展、ジェシーは仕事場から綾瀬の家へ帰宅
女性セブン
高校時代の八並被告
《福岡・12歳女児を路上で襲い不同意性交》「一生キズが残るようにした」八並孝徳被告は「コミュニケーションが上手くないタイプ」「小さい子にもオドオド……」 ボランティアで“地域見守り活動”も
NEWSポストセブン
高橋藍選手
男子バレーボール高橋藍、SNSで“高級時計を見せつける”派手な私生活の裏に「バレーを子供にとって夢があるスポーツにしたい」の信念
女性セブン
幅広い世代を魅了する綾瀬はるか(時事通信フォト)
《SixTONESジェシーと真剣交際》綾瀬はるかの「塩への熱いこだわり」2人をつなぐ“食” 相性ぴったりでゴールインは「そういう方向に気持ちが動いた時」
NEWSポストセブン
いまは受験勉強よりもトンボの研究に夢中だという(2023年8月、茨城県つくば市。写真/宮内庁提供)
悠仁さま“トンボ論文”研究の場「赤坂御用地」に侵入者 専門家が警備体制、過去の侵入事件を解説
NEWSポストセブン