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亡命説も出た武漢研究所“コウモリ女” トランプ氏に猛反論

亡命説まで囁かれていた(写真/AP/AFLO)

 アメリカのトランプ大統領は「新型コロナの発生源は中国科学院武漢ウイルス研究所」と主張し、中国は否定し続けている。

 鍵を握るとされるのが、武漢研究所の研究員で“コウモリ女”の異名を持つ石正麗(シージェンリー)氏(56)だ。

 石氏はウイルス研究の第一人者で、2月と5月に中国の国営テレビに出演して武漢研究所からのウイルス漏洩を否定してきた。しかし、それ以外には公の場に姿を見せなかったため「武漢研究所の秘密文書を持って亡命した」との情報が世界中を駆け巡った。

 そんな中、石氏は7月24日付の米「サイエンス」誌の取材に答えた。

「トランプ大統領の主張は事実と完全に矛盾している」「彼は私たちに謝罪する義務がある」

 亡命説が囁かれて以降、石氏は中国国内で「重要機密を盗んだ国賊」などと誹謗中傷されたが、改めてトランプ氏に“再反論”したのだ。同記事の担当記者ジョン・コーエン氏が語る。

「石氏は今も武漢研究所にいるとみていいだろう。彼女は取材にメールで回答し、武漢研究所からウイルスが漏洩したと示唆するエビデンスはなく、全ての研究は管理されており、漏洩事故はなかったと説明した」

 発生源の真相はともかく、石氏が今も中国の管理下にあることは間違いなさそうだ。

※週刊ポスト2020年8月14・21日号

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