国際情報

【アメリカ発】学校再開に反対する教員組合の不純な動機

学校再開反対のデモは「反トランプ」集会と化している(EPA=時事)

 日本でもアメリカでも、教員組合というのは政治的に左派勢力と結びつきやすい。コロナ禍のアメリカでは、それが学校を再開するかしないかという政治論争に結び付いてしまった。教員組合の行き過ぎた“安全神話”を著名ジャーナリストMonica Showalter氏が告発する。

 * * *
 ドミノ倒しが起きている。教員組合の主張に従って各地で学校は年内閉鎖を発表したが、その方針が変わり始めている。それは、ニューヨークのデブラシオ市長、そしてニューヨーク州のクオモ知事から始まった。ニュージャージー州のマーフィー知事もこれに加わって学校再開を決めたが、彼は同州の教員組合から大きな反発を受けている。

 Politicoの報道によると、

《ニュージャージー州のマーフィー知事は、同州の学校は順次再開し、オンライン授業を利用するためには、各学区が同州に対して、対面学習を安全に再開できないことを証明しなければならないと発表した。

「少なくとも対面とオンラインの併用ではダメだという論理的根拠がなければならない」と、マーフィー氏は定例会見で述べた。「できないことには理由があるはずだ」》

 マーフィー氏によると、本当に開校したくない学校では例外を設ける可能性がある。しかし、彼ら自身が開校は無理だと証明する責任があるということだ。それはほぼ正しいことだが、ニュージャージーでは教員組合が高度に組織化されており、彼らは、換気のために管理人に窓を開けさせるのは危険すぎて無理だと主張できるだろう。

 教員組合は、独自の基準に基づいて学校の再開に賛成しているとしているが、その姿勢は批判を浴びている。彼らの基準とはこうだ。

《教員組合のリーダーは、「科学とデータが、私たちが責任を持って学校再開できることを示し、安全を確保する設備が私たちの学校で利用可能になった時点で、知事の直接指導に移行するという目標を完全に支持し、共有する」と述べた。》

 イギリスで行われた最新の科学的研究によると、教師が子供からコロナウイルスに感染する可能性は極めて低いという。コロナウイルスの発生後に開設された200の施設から集められた1万人の学生には、ほとんど感染者はいなかった。そうした調査結果が示しているのは、教員組合が迷信的だということだけだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
1980年にフジテレビに入社した山村美智さんが新人時代を振り返る
元フジテレビ・山村美智さんが振り返る新人アナウンサー社員時代 「雨」と「飴」の発音で苦労、同期には黒岩祐治・神奈川県知事も
週刊ポスト
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
女性セブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
タイトルを狙うライバルたちが続々登場(共同通信社)
藤井聡太八冠に闘志を燃やす同世代棋士たちの包囲網 「大泣きさせた因縁の同級生」「宣戦布告した最年少プロ棋士」…“逆襲”に沸く将棋界
女性セブン