国内

医師不足の診療科ワースト3 麻酔科、内科、救急科の順

特に足りていないのは?

「日本は医療が充実している」というこれまでの常識は、新型コロナの大流行により吹き飛んでしまった。感染拡大で医療体制は逼迫し、外来休診などで大病院も地域に根ざしたクリニックも経営難にあえいでいる。患者からすれば、必要な治療が受けられなかったり、院内感染リスクの懸念も高まる。

 病院経営の危機は全国的に広がっているが、その深刻度は「診療科」によって大きく異なる。

 一般社団法人日本病院会の「勤務医不足と医師の働き方に関するアンケート調査」(2019年調査)によれば、調査対象の413病院のうち医師不足を訴えたのは362病院。中でも深刻なのが表に挙げた10の診療科だ。

 ワースト1位は麻酔科で、(362病院中)153病院が「不足」と回答。患者が直接顔を合わせることは少ないが、麻酔科専門医の不足は医療従事者にとって深刻な問題だ。医療ジャーナリストの油井香代子氏が語る。

「麻酔科は専門性が高い一方で、勤務医から開業医というキャリアアップが描きにくいため人気が低く、ペインクリニックなど手術以外の仕事も増え忙しい。そのため麻酔科の専門医が不足し、非常勤のアルバイト医師が複数の病院を掛け持ちしている実情もある。病院によっては、外科医が麻酔を行なっているケースも少なくありません」

 麻酔科専門医がいないことは、患者にとっても大きなデメリットとなる。

「脈拍や呼吸、血圧など手術中や前後のバイタルチェックは麻酔科医の重要な仕事です。これを他の科の医師が担当するとアクシデントの重要な兆候を見逃しかねず、医療事故に繋がる可能性が高まります。

 万が一を避けるため、手術・入院の際は常勤の麻酔科専門医のいる病院を選びたい。病院のホームページなどで事前に確認すべきです」(同前)

関連記事

トピックス

米倉涼子(時事通信フォト)
「何か大変なことが起きているのでは…」米倉涼子、違約金の可能性を承知で自らアンバサダー就任のキャンセルを申し出か…関係者に広がる不安がる声
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を視察された天皇皇后両陛下(2025年10月6日、撮影/JMPA)
《2回目の万博で魅せた》皇后雅子さまの気品を感じさせるロイヤルブルーコーデ ホワイトと組み合わせて重厚感を軽減
群馬県前橋市の小川晶市長(共同通信社)
「ドデカいタケノコを満面の笑顔で抱えて」「両手に立派な赤ダイコン」前橋・小川晶市長の農産物への“並々ならぬ愛”《父親が農民運動のリーダー》
NEWSポストセブン
萩生田光一元政調会長が幹事長代行へ起用(時事通信フォト)
《SNSで非難轟々》“裏金議員”萩生田光一氏が党執行部入りの背景 永田町関係者が明かす“総裁選での暗闘”と「香水がとてもいい香り」の珍評価
NEWSポストセブン
巨人の阿部慎之助監督(左)とDeNAの三浦大輔監督
セ2位DeNA・三浦監督は勇退で3位巨人・阿部監督は続投でいいのか? 御意見番・広岡達朗氏は「三浦は偉い」「阿部は三浦が辞めた意味すらわかっていないんじゃないか」
週刊ポスト
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(共同通信)
《やる気スイッチ講師がわいせつ再逮捕》元同僚が証言、石田親一容疑者が10年前から見せていた“事件の兆候”「お気に入りの女子生徒と連絡先を交換」「担当は女子ばかり」
NEWSポストセブン
“ATSUSHIものまね芸人”として活動するRYO
【渦中のRYOを直撃】「売名じゃない」橋幸夫さん通夜参列で炎上の“ATSUSHIものまね芸人”が明かした「反省」と「今後」…「100:0で僕が悪者になっている」との弁も
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月7日、撮影/JMPA)
《再販後完売》佳子さま、ブラジルで着用された5万9400円ワンピをお召しに エレガントな絵柄に優しいカラーで”交流”にぴったりな一着
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷が“即帰宅”した理由とは
《ベイビーを連れて観戦》「同僚も驚く即帰宅」真美子さんが奥様会の“お祝い写真”に映らなかった理由…大谷翔平が見計らう“愛娘お披露目のタイミング”
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《山瀬まみが7ヶ月間のリハビリ生活》休養前に目撃した“スタッフに荷物を手伝われるホッソリ姿”…がん手術後に脳梗塞発症でICUに
NEWSポストセブン
歴史ある慶應ボート部が無期限で活動休止になったことがわかった(右・Instagramより)
《慶應体育会ボート部が無期限活動休止に》部員に浮上した性行為盗撮疑惑、ヘッドフォン盗難、居酒屋で泥酔大暴れも… ボート部関係者は「風紀は乱れに乱れていた」と証言
NEWSポストセブン
京都を訪問された天皇皇后両陛下(2025年10月4日、撮影/JMPA)
《一枚で雰囲気がガラリ》「目を奪われる」皇后雅子さまの花柄スカーフが話題に 植物園にぴったりの装い
NEWSポストセブン