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「たら」「れば」が頻出、競馬予想紙の「文学的」楽しみ方

文学的表現を楽しむのも一興

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない夢の馬券生活。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、競馬新聞の独特の表現を使った文言の読み方についてお届けする。

 * * *
 一字一句を玩味精読される競馬新聞の文言。独特の表現を週末の楽しみにしている。

 トラックマンの短評も面白いが、陣営のコメントにも味がある。主に2点。調教評価とレース展望だ。レース展望は「レースへの期待」である。

「スタートを決めて流れに乗れれば」といった期待を「文学だ」と評する友人もいる。文学的とは辞書によれば「論理的ではなく、感性や情緒にかたよった」表現。そして字面の裏側に別の意味も隠れている。ううむ、論理的ではないのか。

 たしかにタラレバ表現は感性や情緒だ。「もまれずに時計のかかる展開なら」や「自分の形で真面目に走れれば」などは、タラレバが二つもある。二つクリアできればたいていはうまく行くぞ。私だったら、「流れに乗ったうえで、上位人気馬が軒並みコケれば」と願うだろう。

 その文学的表現は少し哀しい。レース後、顧みられることはない。そこで悔しさのつれづれに(もう結果が分かっちゃってるな)検証してみた。

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