横断歩道で目撃された

 1975年に第9回ポプコンに入賞、第10回ポプコンでグランプリを獲得してデビューのきっかけをつかんだ。

 だが同じタイミングで父が脳溢血で倒れて亡くなった。エッセイスト・桐島洋子さんとの雑誌の対談で、中島は当時を振り返ってこう述べている。

《医者にもピンからキリまであって、うちの場合はキリでしたし、父が亡くなって、貯金を調べたら、たった10万円あったきりでした》

 中島は1975年9月に「アザミ嬢のララバイ」でレコードデビューしたが、その背景にも経済的な苦境があった。

「ポプコン・グランプリの賞金150万円は、まるまる父親の葬儀代になったそうです。父の死後、収入面で一家を支えるため、みゆきさんは東京に出てプロの歌手になる決意をしました。そんな娘を陰ながら励まし続け、支えたのがお母さんでした」(前出・中島の知人)

 1977年に「わかれうた」がシングル売上ランキングで初の1位を獲得。

 その後、「悪女」「ファイト!」「空と君のあいだに」「地上の星」など誰もが知る大ヒット曲を連発。派手さはないが、日々を一生懸命生きる人の胸に響き、心に傷を負った人に希望を与える歌を、彼女は歌い続けた。歌で人を支える中島を支えたのは、誰であろう母親だった。

 歌手活動が軌道に乗った1982年、中島は30才にして、都内の高級住宅街の一角に鉄筋2階建て、当時の価格で約1億6000万円といわれる一戸建てを建てた。この豪邸を中島は母親にプレゼントした。

「みゆきさんとお母さんは、一家が苦しいなかで、ともに歯を食いしばって助け合った戦友のようなものです。東京で成功したみゆきさんは、そんな母の労をねぎらうつもりで豪邸を購入し、北海道からお母さんを呼び寄せました。もっともみゆきさんは朝が苦手で、一緒に暮らし始めてからは、家事や洗濯などの身の回りの世話はずっとお母さんがみていました。家の中で飼っていたシェパードの世話をするのもお母さんの仕事だったそうです(笑い)」(別の中島の知人)

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