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“変われぬ政治”示した総裁選 記者の緊張感も感じられない

 人は、慣れ親しんだ物事や環境などを変えるのが苦手だ。新しいものの方が優れている、新しいやり方をすればプラスへ動くかもしれないという期待はあったとしても、そこに不安や面倒を感じれば二の足を踏んでしまう。まして、手に入れたものを失うかもしれないと思えば現状にしがみつきたくなるものだ。森友・加計問題が中途半端に終わっても、新型コロナウイルス対策が失策続きでも、韓国や中国との関係が悪化していても、今の自民党は変わることをマイナスだと感じているようだ。彼らの中にある現状維持バイアスはかなり強固らしい。

 結果を想定し、「菅氏が総裁になる」という目で会見を見ると、違うものが見えてくる。石破氏が目力鋭くなかなかの発言をしても、岸田文雄政調会長が安倍政権の成果を継承するが如く涼しげに演説しても、訴えようとする気迫はどこか弱い。

 ぎゅうぎゅう詰めに座席を埋める応援陣営の議員たちの姿もなければ、争うように質問する記者たちの姿もない。会場全体の高揚感や応援議員たちによる圧力、質疑応答での緊張感も感じられない。コロナの感染拡大防止対策で、応援陣営の参加議員は最大20人まで、入室が認められた記者たちも1社につき1人に制限されていたとはいえ、「予定調和」の総裁選に関心は薄そうだった。現状維持を望むなら、下手に盛り上がるより、この方が都合がよいとも言える。

 共同記者会見で菅氏は、コロナ対策や経済の立て直しなどに関する最初の質問にこう答えた。「実際、これから政権を運営する、トップに立つわけでありますから」。菅氏の勝利は、本人も認める自民党周知の事実というわけだ。「私自身が総裁になったら」「総理大臣の立場になったら」、菅氏はこれからの政権についてこうも話したが、石破氏も岸田氏も、こんな“たられば”の表現は使わなかった。

 新しい政権が誕生しても現状維持が続くらしい。コロナ渦が国民の努力で収束することを心から願うばかりだ。

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