原の昨年のドライビングディスタンスは253.3ヤードでランク4位、バーディ数は369個でやはり4位。その爆発力こそ大きなアドバンテージだが、平均パット数は1ラウンドあたり30.69でランク86位だ。今年は新型コロナの影響で試合数は少ないが、バーディ数は84個で4位、平均パット数は30.31の69位(日本女子オープン終了時点)。弱点は解消されないままだった。
だが、日本女子OPではパットが冴え、ロングパットを次々とねじ込んでみせたのだ。
「この大会から原はパットの打ち方を変えている。手元を下げて肩でストロークし、バックスピンがかかる打ち方で順回転に修正して、速くて硬いグリーンを攻略した。ジャンボさんから何かアドバイスがあったのでしょうか」(前出・ゴルフ誌記者)
日本女子OPに臨む原にジャンボは、「2勝目が大事だ。1つ目は勢いで勝てるが、2勝して初めて本物になる」とハッパをかけた。そしてメジャータイトル獲得について、ジャンボは「英莉花はパッティングさえ良くなればトッププロになれる。今回、緊張感のなかでいいプレーができたのも、その証拠」とコメントした。
プロ通算113勝、メジャーを16度制したジャンボだが、原は師匠が「無敵」と呼ばれていた時代を全く知らない。ジャンボが最後の優勝を飾ったのは2002年の「ANAオープン」で、当時の原は3歳。父娘より年齢が離れた弟子に、ジャンボはどんな指導したのか――10月16日発売の『週刊ポスト』で詳報する。
取材・文/鵜飼克郎(ジャーナリスト)