新事業がローンチ。話題のスイーツとコラボ
昨年、寺田氏は、自らが育て上げたサマンサタバサ(ジャパンリミテッド)のトップを退いているが、退任に際して「『社員の自立と自走』を目標としたカンパニー事業部制」を導入した。
「今後はファウンダー(創業者)という立場で、日本発世界ブランドの確立に向け、国内事業と海外事業共に、弊社の今後の成長のために支援をしてまいります」(「代表取締役の異動の理由の補足説明について」より)と宣言していた通り、サマンサグローバルの事業展開をしている形だ。
今、アパレル業界と飲食・食品関連業界は逆風続き、新型コロナ関連倒産の上位を占めている。同関連倒産673件中、飲食店、食品卸、食品小売、食品製造、アパレル小売り、アパレル卸、アパレル製造で計274件と、全体の40%超だ(帝国データバンクより。11月2日時点)。寺田氏はそうした業界全体を活性化したいと考えている。
「牛や馬がすごく好きでそこに関わる仕事がしたいという若者が実際、いざ酪農をしようと思うと収益性や安定、労働環境などの不安からあきらめるケースが多い。ファッションも同様の側面があります。そうした酪農や農業、ファッション業界の課題を解決し、昨今人気のIT業界にも負けない憧れることができる、プライドを持って働ける仕事にしたいと考えます」(寺田氏)
氏は、サマンサタバサを最盛期には世界300店舗超・売上高400億円超に拡大した手腕を持つ。「新しい常識とか新しい付加価値、価値観とかを作っていければ良い」(寺田氏)とも会見で答えているように、「ブランディング」を中心に辣腕が振るわれ、グローバルに展開すると見られる。今後に、大きな期待が寄せられている。
アパレルも酪農も「プライド持てる仕事に」と