「シャープのマスク」は大ヒットしたが……

「シャープのマスク」は大ヒットしたが……

こちらは支給ゼロの企業

こちらは支給ゼロの企業

 自動車同様、会社ごとに事情が大きく異なるのが電機メーカーだ。すでにシャープは夏のボーナスを大幅カットしたが、冬も見通しは明るくないようだ。消費者から見ると、シャープはコロナ禍に素早く対応して「マスク」を大ヒットさせたこともあり、技術力や機敏な経営戦略を示したようにも見えたのだが、なぜライバルの後塵を拝したのか。

「電機業界には、コロナによって“テレワーク特需”が起きました。パソコンや情報機器を主力にしているところはそれで潤った。ところが、シャープはそうした分野はそれほど強くなく、携帯電話の液晶やテレビなどの家電が中心。コロナの影響で携帯の売り上げは落ちているし、東京オリンピックが中止になってテレビの買い替え需要も当てが外れました。

 この業界では、パナソニックは国内需要の低迷で大幅減益になっている一方、ゲーム部門を持つソニーは業績が良いなど、事業の構成に大きく左右されています」(関氏)

 シャープに取材すると、「弊社のボーナスは信賞必罰で、部門の業績と個人の評価で上がる社員もいれば下がる社員もいます。全社でどうなるという話はできないのですが、会社全体としてコロナの打撃を受けているので、その影響がないとは言えないと思います」(広報担当)とのこと。

 そのシャープにとって、コロナと並んで気になるのが、事業パートナーである携帯電話業界を襲う「菅ショック」だ。

「菅義偉・首相が新政権の目玉政策として携帯料金を下げろと要求しており、これが今後、携帯大手の業績に影響を与える可能性がある」(関氏)

 例えば最大手のドコモは営業利益が1兆円強あるが、仮に全利用者の1か月あたりの料金が1000円下がるとすると約5000億円、2000円下がると約1兆円の減収となるため、利益がすべて吹っ飛んでしまうのではないかと言われている。もちろんソフトバンクもKDDIも事情は同じなので、携帯電話業界は今後かなり厳しくなる。

 コロナ時代のボーナスは、各業界の浮沈をかけた熾烈な戦いが反映されそうだ。

公務員はほとんど減らない

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