「ただ、その後の練習は想像以上にハードなものでした。毎年、夏に行われる4日間の山合宿では、バドミントン部なのに、1日20kmのランニングをするんです。蔵王山(標高1841m)を上ったり下ったり。午前と午後に3kmを3本ずつ。その後、坂道ダッシュを何本か。1年生のときは病気明けで、私は本格的に参加できませんでしたが、参加できるようになった2年目以降は本当にキツかったですね。
練習しながら『これだけキツい練習をして結果が出なかったら、先生のせいにしてやる!』と思っていましたが、結果が出るんですよね、これが(笑い)」
病を克服し、この過酷な練習を耐え抜いたことで、何よりメンタルの強さと最後までやりきる力を培うことができた、と微笑む。誰しも不本意な状況に陥ることはあるが、その状況を受け入れ、前を向けるかどうかで、先の展開は大きく変わる。
【プロフィール】
高橋礼華(たかはし・あやか)/1990年4月19日生まれ、奈良県出身。6才からバドミントンを始める。中学で親元を離れ、中高一貫の聖ウルスラ学院英智中学校へ進学。高校時代に後輩の松友美佐紀選手とペアを組み、インターハイ団体、ダブルスで優勝を果たす。2009年、日本ユニシスに入社し、2014年、ヨネックスオープンジャパンで松友選手とともに女子ダブルスで日本人初優勝。世界ランキング1位に。2016年、リオ五輪で金メダル獲得。2020年8月に現役引退。後進の指導やバドミントンの魅力を伝える活動をしている。
取材・文/廉屋友美乃
※女性セブン2020年12月3日号