スポーツ

引退のバド金・高橋「コロナ禍であと1年続けるのは無理」

世界トップクラスの攻撃力を持つ“タカマツ”ペア。息の合った連携プレーでリオ五輪の金メダルに輝く(時事通信フォト)

世界トップクラスの攻撃力を持つ“タカマツ”ペア。息の合った連携プレーでリオ五輪の金メダルに輝く(時事通信フォト)

 リオ五輪で金メダルを獲得し、コンビを組む松友美佐紀選手(28才)とともにタカマツコンビで人気を博し、スキンケアブランド『SK-II』のキャンペーンにも起用された高橋礼華(30才)。東京五輪での連覇も期待されていたが、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響で開催が延期になる中、今年8月引退を発表。その会見日が、金メダルを取った日と同じだったことも話題になった。

「引退を決めたのは、コロナ禍で次々と試合が中止になり、外出自粛で練習もままならなかったときです。今年の東京五輪の開催は無理かもしれないという噂が流れる中、もし延期になったら引退しようと考えていました。理由は、30才を区切りにしようと思っていたのと、国内で3番手になっていたので、あと1年続けるのは無理だと思ったから。でも、やり切ったので悔いはありません」(高橋・以下同)

 キッパリと、清々しい表情で高橋はそう語る。そんな彼女がバドミントンと出合ったのは6才のときだ。

「母がママさんバドミントンをやっていて、それについて行っていた私と2つ下の妹(日本代表の高橋沙也加選手・28才)は、自然とラケットを握るようになりました。最初は楽しいだけでしたが、小学4年生のときに初出場した全国大会でいきなり優勝して、『私、バドミントンなら強くなれるかもしれない。強くなりたい!』と思ったのです」

 そんな強い思いで親元の奈良県を離れ、宮城県仙台市にあるバドミントンの強豪校である聖ウルスラ学院英智中学校(以下、ウルスラ)へ。

「中学進学の時点で、数校から声をかけてもらっていましたが、中高一貫教育だったのと、当時、ものすごく強かった平山優さん(現・日本ユニシス実業団女子バドミントンコーチ)がいたので一緒に練習したいと思い、ウルスラに決めました。両親は仙台行きを賛成してくれましたが、父からは『覚悟して行くねんから(中高)6年間しっかりやれ。お前が泣いて帰ってくるところはない』と突き放されて、私も覚悟を決めました」

 意気揚々とウルスラの門をくぐった彼女だったが、入学早々に椎間板ヘルニアを患い、約3か月、静養することになってしまう。

「仙台まで来て私は何をしているんだろうと落ち込みました。練習にも参加できないまま1か月半くらい経ち、焦る気持ちもありましたが、あるとき、『こんなふうにクヨクヨしていても仕方がない。いまは何もできないんだから、けがを治すことに専念しよう。しっかり体を休めて、治ったら全力で練習しよう』と考えを変えたんです。それには毎日元気づけてくれた同級生やコーチの励ましが大きかったですね」

 苦しいときも調子のいいときも、ふだんの自分を見失わず、常に前向きに考える。いつもの自分を見失わないことが大事だと気づいたことで、焦る気持ちもなくなり、そこから1か月半で回復。練習復帰を果たす。

関連記事

トピックス

ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
鳥取の美少女として注目され、高校時代にグラビアデビューを果たした白濱美兎
【名づけ親は地元新聞社】「全鳥取県民の妹」と呼ばれるグラドル白濱美兎 あふれ出る地元愛と東京で気づいた「県民性の違い」
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』(星海社新書)を9月に上梓したルポライターの松本祐貴氏
『ルポ失踪』著者が明かす「失踪」に魅力を感じた理由 取材を通じて「人生をやり直そうとするエネルギーのすごさに驚かされた」と語る 辛い時は「逃げることも選択肢」と説く
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン