お手伝いレベルから始めるのでかまわない
私の近刊『専業禁止‼ 副業したら本業成果が上がる仕組み』(小学館)に詳しく書いていますが、副業で個人が得られるものは「収入」だけではありません。自分のスキルを会社の外であらためて実感することによる自己肯定感の向上、自律的な人生、多彩なコミュニテイとの絆、知識や経験を本業に還元することでの本業での成果向上、など多くのプラス要素があります。また、企業側には、社員研修を遥かに上回るスキルアップ体験を提供することになる、モチベーションの高い人材を採用できる、競合他社との差別化などのメリットがあります。
よいことだらけの副業ですが、個人にとっては、まず最初に副業を始める第一歩のハードルが高いと感じるかたが多いのではないでしょうか。
そこをクリアするためのヒントも著書にまとめましたが、その中でも重要なのは、「まず誰かのお手伝いレベルから始めるのでかまわない」「自分のスキルの棚卸しをしてみる」ということです。
コロナ不況が深刻に見えますが、実は人手が足りない業種はたくさんあります。まさに猫の手も借りたいという状況の職種は多いのです。そして、自分など大したことはできないと勝手に思い込んでいても、実は小さな「できること」が大きく役立つ職種もあるのです。自分にできることをどんなに小さなことでも整理してみると、プロマッチングサイトなどで、気負うことなく始められる仕事を見つけることができるでしょう。
経済的な自由と精神的な自由を手に入れ、自分の力で自分の人生の舵をとる生き方。それは副業から始まると言っていいと思います。
【プロフィール】
清水正樹(しみず・まさき)/1986年千葉県出身。株式会社エンファクトリーの取締役 執行役員 CBO。同時にハリネズミと触れ合える「ちくちくCAFE」オーナー、合同会社flasco/共同代表などのほか、フリーランスとしてさまざまな企業のWEBマーケティングや新規事業コンサルティングに携わるなど、複業活動にも取り組む。