お笑い芸人にとって劇場は、技芸を磨くためのもっとも重要な場所のひとつだが、そこにも新型コロナウイルス感染拡大の影響は及んでいる。吉本興業は常設劇場で予定されていた12月26日から1月11日までの年末年始特別公演について、19時以降に開演予定の公演を中止する旨を発表、劇場所属の若手芸人にとっては年末年始の仕事が減る厳しい状況になった。
折しも12月1日、大阪では新たな吉本の劇場「森ノ宮漫才劇場」がオープンしたばかりだった。大阪城の足元、森ノ宮駅から徒歩数分の場所にある。コロナ禍という苦しい時期にオープンし、話題を呼んだ同劇場だが、既存のなんばグランド花月(NGK)やよしもと漫才劇場(マンゲキ)とはどのような差別化を図っているのだろうか。在阪記者がレポートする。
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大阪の吉本の劇場といえば、老舗のNGK、そしてその真向かいに立地する若手の劇場“マンゲキ”こと「よしもと漫才劇場」があります。2017年にオープンした西梅田劇場は2019年8月25日をもって閉館したため、大阪で3つ目の劇場ということになります。
森ノ宮漫才劇場は、既存の「クールジャパンパーク大阪 SSホール」に座席を設置し、劇場仕様にアレンジしたもの。12月1日のオープン前から、「SSホール」を使ったよしもと若手芸人の公演は行われていました。そのため、SSホールに馴染みのある観客もいるでしょう。
パイプ椅子を設置した座席は266席、車椅子2席を収容できますが、コロナ禍のため12月段階ではA列とB列を使用せず、収容数80%(212席+車椅子2席)で運用しています。
公式ホームページによれば、「よしもと漫才劇場」所属メンバーが出演するイベントを定期的に開催することを目的としており、漫才、コント、ピンネタ、コーナーを設けた1時間の平日公演「森ノ宮ネタライブ」(+「森ノ宮ネタライブSP」)、そして漫才劇場の若手とテレビで活躍する人気芸人が共演する土日祝の「森ノ宮よしもとお笑いライブ」(+「森ノ宮よしもとお笑いライブSP」)があります(※「SP」は出演芸人数が多い公演)。