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リモートワークが身体を蝕む!「スマホ首」や「ゾウ足」が増加

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コロナ禍の外出自粛による足の筋力低下を防ごう(イラスト/つぼゆり)

 姿勢の良し悪しは年齢を感じさせる大きな要因だ。しかし、それは見た目に関する問題だけではない。アメリカの臨床施設で60~90代の女性を対象に行った調査によれば、姿勢が悪い女性はそうでない女性よりも1.15倍も早期死亡率が高いという結果が出ている。

 さらには、新型コロナウイルス感染防止のための自粛生活下で、スマホやパソコンの見すぎにより、いわゆる「スマホ首」になってしまう人も増えている。脳神経外科医の北條俊太郎さんは、特にリモートワークは姿勢に悪影響を与えると警鐘を鳴らす。

「自宅にあるダイニングテーブルやローテーブルはオフィスのものよりも高さが低く、どうしてもパソコンを見下ろす姿勢になってしまい、首に負担がかかりやすいのです。

 成人の頭の重さは5~6㎏あり、大きなボウリング球と同等で、長時間下を向いて過ごすのは、これを細い首だけで支えていることになるため、かなりの負担がかかります。

 スマホを見下ろす姿勢も同じです。首の筋肉のこりは痛みを生み、ストレスのもとになります。さらに視床下部などにある自律神経の中枢に影響を与え、こりだけでなく自律神経が乱れて、それにより食欲不振や腸内環境の悪化などのリスクも高まります。

 なるべくうつむくような姿勢をやめ、首を温めることで、こうした全身の疾患が快方に向かった患者さんも多いのです」(北條さん)

 北條さんによれば、こうした自律神経の乱れが首のこりを引き起こすと同時に、白髪や抜け毛といった症状も招くケースも少なくないという。

 リモートワークが蝕むのは上半身だけではない。出勤に伴う歩行時間が減り、座りっぱなしの時間が増えたことによる「ゾウ足」に悩む人も多い。『“歩く力”を落とさない! 新しい「足」のトリセツ』の著書がある下北沢病院の理事長・久道勝也さんは、ふくらはぎの筋力が落ちているのが原因と指摘する。

「脚の筋力が落ちると血流が滞って心臓に戻りにくくなり、むくみや下肢静脈瘤の原因になります。

 歩く機会が減ったことで、50~60代の“プレ老人化”が進んでいます。この1年で減った筋力は年を重ねてからでは戻りづらく、10年後20年後に寝たきりになる可能性も高いのです。

 そのうえ脚の筋力は、血液の循環や心肺、呼吸機能にも関係しているため、このまま巣ごもり生活が続けば、加齢による心身の活力が低下したフレイルの状態に陥ることはもちろん、心臓病のリスクも上がり、健康寿命が短くなると危惧しています」

 巣ごもりに伴う食生活の偏りにより、全身の老化が進むという声もある。同志社大学生命医科学部糖化ストレス研究センター教授の八木雅之さんが解説する。

「コロナによる生活の変化は、体の“糖化”を促進させる要因であふれています。糖化とは、食事などから摂った余分な糖質が体内のたんぱく質などと結びついて、『AGEs』と呼ばれる老化促進物質を生成すること。この『AGEs』が肌のシミやくすみから動脈硬化、糖尿病までを引き起こす“老いのもと”になるのです。

 2020年の緊急事態宣言後に家庭での消費が増えたのは、カップ麺や肉、パンケーキミックスなどでした。これらには糖質がたっぷり含まれている一方、運動の機会は激減している。つまり自粛生活は体内に糖質が余りやすく『AGEs』が生成されやすい状況なのです」

※女性セブン2021年2月11日号

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