男性はお酒なしでは打ち解けられない
二階幹事長や松本氏の行動には多くの女性が嫌悪感を抱いた。そうした男女差はどこから生じるのだろうか。「その理由も脳の機能から説明できます」と指摘するのは塩田さん。
「『女性脳』はコミュニケーションを司る部位が大きく、女性は日常生活でも常にコミュニケーションを図っているのでストレスが軽減されて、孤独感が少ない。
一方の『男性脳』はコミュニケーションを司る部位が女性より小さく、日常生活でストレスを解消できず、お酒を飲みながらのコミュニケーションを求めます。逆に言えば、お酒で理性のストッパーを外さないと他者とコミュニケーションできない男性が多い」(塩田さん)
一般的に男女が属する社会の構造が違うことも、男女差を生む要因の1つだという。
「日本の男性は幼い頃から寡黙に育つことが多いうえ、サラリーマンは社内ではなるべく私語をしないなど暗黙のルールがあり、本心をさらして語り合うのは飲み会だけというケースが目立ちます。
一方の女性は少女期から友達同士でおしゃべりをたくさんして、仲間内でうわさ話や悪口なども本音で言い合います。中高年になっても井戸端会議などで本音を話す習慣がついているので、自然とストレスを発散できます」(塩田さん)
コミュニケーション手段も女性の方が豊富だ。
「女性は長電話やSNSなどで会話を楽しむことができ、男性よりコミュニケーションツールが圧倒的に豊富です。そのためコミュニケーション不足によるストレスが少なく、会食する場合も夜ではなく、昼間のランチで間に合うのです」(塩田さん)
実際、会食と幸福度の関係を調べた英オックスフォード大学の研究では、初対面の人と会うとき、男性が夜の食事を好むのに対して、女性はランチを好む傾向が強かった。
「男性は社会的活動にかかわることが多いので、会議や商談などで一緒になった人との親しさを強調する手段として飲酒を伴う会食に頼る傾向があります」(石毛さん)
要するに、男は夜の会食抜きでは何もできないというわけか。会食は本当に本能でやめられないのか──いま、人類の“進化”が問われているのかもしれない。
※女性セブン2021年3月4日号