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2021.02.19 11:00  週刊ポスト

渡辺謙が語る『独眼竜政宗』 命懸けだった勝新太郎との緊迫シーン

渡辺謙が自身の出世作を振り返る(写真/共同通信社)

渡辺謙が自身の出世作を振り返る(写真/共同通信社)

 NHK大河ドラマ60作目となる『青天を衝け』が、2月14日にスタートした。同作は「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一を吉沢亮が演じる。歴史を振り返ると、数多くの名優が大河を舞台に輝いてきた。そこで『週刊ポスト』は、読者1000人に「史上最高の大河ドラマ俳優は誰か?」という調査を実施した。

 読者投票で1位となったのは、『独眼竜政宗』(1987年)で主役を演じた渡辺謙だ。同作は39.7%の歴代最高平均視聴率を記録し、幼い梵天丸(政宗の幼名)が不動明王像を前にして言う「梵天丸もかくありたい」という言葉が流行語になったほど。渡辺謙は当時28歳だった。自身の出世作をこう振り返る。

「子役たちの人気がすごく高かったので、かなりプレッシャーがありました。政宗の若い頃を演じる時は、芝居のスピードを相当上げて、年齢を重ねていくことを意識しました」

 大河ファンのタレント・松村邦洋は同作についてこう話す。

「『独眼竜政宗』の前は『山河燃ゆ』『春の波濤』『いのち』と現代劇が3作続き、視聴者が“戦が見たい”と歴史モノを望んでいました。その中で、新進気鋭の若手俳優だった渡辺謙さんを起用し、ドラマが勢いに乗った。

 そもそも戦国武将を野球選手に譬えると、織田信長が長嶋茂雄、豊臣秀吉が王貞治、伊達政宗は清原和博というくらい年齢が離れています。三英傑から見ると“新人類”同然の政宗を、若さあふれる謙さんが演じる姿は本当にカッコよかった」

 北大路欣也、原田芳雄、津川雅彦、岩下志麻など、重厚な役者が顔を揃えた同作では、勝新太郎演じる豊臣秀吉と若き日の政宗が初めて顔を合わせるシーンが語り草になっている。

 緊張感を高めるため、この場面の収録まで勝は渡辺と一切顔を合わせなかった。迎えた撮影時、ヒリヒリと緊迫した雰囲気の中で、勝は「この若造が」とばかりに、手にした采配を渡辺の首元に突きつける。完全な勝のアドリブだった。当時の現場を渡辺が懐かしそうに振り返る。

「とにかく何が起こるかわからない。全身にアンテナを張り巡らして、命懸けでした。それが政宗の心境とシンクロしたのでしょう。勝さんとのシーンはすべて何が起こるかわからない雰囲気でした」

 この緊張感が空前の大ヒットを生んだのだ。

※週刊ポスト2021年2月26日・3月5日号

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