人間の食生活において欠かせない存在である「油」。適切な油を適切に摂ることで、健康に好影響を与える可能性もあるという。
高血圧の予防には、最高品質のオリーブオイルがいいといわれている。悪玉コレステロールを減らして高脂血症の改善に役立つ働きもあるからだ。
管理栄養士の麻生れいみさんによれば、オリーブオイルに多く含まれる、不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸が、悪玉コレステロールを減らすという。高血圧のほか、動脈硬化、心筋梗塞の予防にもなるとも。徳島大学大学院教授の佐田政隆さんはこう続ける。
「高血圧の原因になる内臓脂肪を減らす作用があることがわかっています。フランスでは、オレイン酸が豊富なオリーブオイルやα-リノレン酸の豊富なアマニ油・えごま油を継続して摂ると、心筋梗塞の発症リスクが半分近く減ったという研究結果もあります」(佐田さん)
高価だが、70%以上ものオレイン酸を含むプルーンシードオイルもおすすめだ。慶應義塾大学医学部教授の井上浩義さんが言う。
「オリーブオイルと同じオメガ9系なので、悪玉コレステロール値を下げる効果もある。やや青臭さがありますが、サラダやマリネなどにはよく合います」
認知症予防に役立つといわれるアマニ油・えごま油の血液サラサラ効果は、血圧も下げる。
「1日あたり大さじ1杯をドレッシングのように生で摂ってみてください。1日2.6gのアマニ油で血圧が下がったという研究結果もあるほどです」(佐田さん)
正しく選べば、油は健康の味方。とはいえ、摂りすぎは禁物。油もさじ加減が大切だ。
※女性セブン2021年3月18日号