国内

コロナ禍の漫画 『深夜食堂』作者は「営業時間を変更するかも」

漫画家の安倍夜郎氏がコロナ禍の新たな表現様式を語る(イメージ)

漫画家の安倍夜郎氏がコロナ禍の新たな表現様式を語る(イメージ)

 コロナ禍で新しい生活様式が広まっていくなか、フィクションにどこまで現実を反映させるかは作り手にとっては大きな問題だ。登場人物がマスクを着け、ソーシャルディスタンスを守り、飲食店は20時で閉店する──そんなリアルな世界を描くべきか、はたまた創作は自由であるべきか。コロナ禍の新たな表現様式について、『深夜食堂』の作者である漫画家の安倍夜郎氏が語った。

 * * *
 そもそも深夜の食堂という形態はコロナ禍では営業が難しい。幸いというか僕としては最悪でしたが、昨年春頃に体調を崩してしばらく入院していて、『深夜食堂』は休載していました。

 今年3月に連載を再開するにあたって、漫画の中でも「めしや」を店主の都合で約1年近く休んでいる設定にしました。

 そして再開するならやはり「コロナ」は避けて通れないと思いました。連載前に書き溜めていた原稿に手を入れて、新たにマスクを描き加えたところもあります。

 最新号(『ビッグコミックオリジナル』3月5日発売号)では店内ではなく外で常連客たちが久しぶりに集まり、次号以降で「めしや」も営業再開させるつもりです。

 食事をするシーンも含まれる作品ですから、読者が違和感を覚えるような表現は避けなければいけません。たとえば作中で常連客同士の玉子焼きと赤いウインナーのお裾分けのようなシーンは描きにくい。

 いま飲食店の料理人もマスクやフェイスガードをしていますが、マスターは料理する時以外は店内でマスクをつけません。受け答えの表情が分からなくなってしまうので、そこだけはキャラクターを優先しました。

 今後の深夜食堂の営業時間ですが、今のままというわけにはいかないでしょう。もう少し早い時間から開けて時短営業などを考えなければいけないかもしれません。夕方から開ければ、これまでとはまた違ったお客さんが店を訪れて、描ける世界が広がるかもしれませんしね。

※週刊ポスト2021年3月19・26日号

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
「城島さん、松岡さんと協力関係は続けていきたいと思います」福島県庁「TOKIO課」担当者が明かした“現状”と届いたエール
NEWSポストセブン
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
【「報道特集」での発言を直撃取材】TBS山本恵里伽アナが見せた“異変” 記者の間では「神対応の人」と話題
NEWSポストセブン
蝦夷富士という名前もある羊蹄山(イメージ)
《ブローカーが証言》中国人らが日本の不動産取得でもくろむ乱暴な開発計画 「日本の役人は言うだけで実力行使はしないと聞いている」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビー服は男の子のものでは?》眞子さん、夫・小室圭さんと貫く“極秘育児”  母・佳代さんの「ラブコール」も届かず…帰国が実現しない可能性も
NEWSポストセブン
吉沢亮演じる喜久雄と横浜流星演じる俊介が剣幕な表情で向かい合うシーンも…(インスタグラムより)
“憑依型俳優”吉沢亮主演の映画『国宝』が大ヒット、噂される新たな「オファー」とは《乗り越えた泥酔事件》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“半日で1000人以上と関係を持った”美女インフルエンサー(26)がイギリスの公共放送で番組出演「口をすぼめて、吸う」過激ビジュアル
NEWSポストセブン
映画『国宝』で梨園の妻を演じた寺島しのぶ(52)
《無言の再投稿》寺島しのぶ、SNSで2回シェアした「画像」に込められた歌舞伎役者である息子・尾上眞秀への“覚悟”
NEWSポストセブン
元横綱・白鵬の宮城野親方に相撲協会はどう動くか(八角理事長/時事通信フォト)
八角理事長体制の相撲協会に「70歳定年制」導入の動き 年寄名跡は「105」しかないため人件費増にはならない特殊事情 一方で現役力士が協会に残ることが困難になる懸念も
NEWSポストセブン
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン