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橋本聖子・五輪組織委会長 権力と名誉に前傾姿勢で突っ込む乱脈ぶり

橋本聖子氏の“乱脈ぶり”をノンフィクション作家・森功氏がレポート(時事通信フォト)

橋本聖子氏の“乱脈ぶり”をノンフィクション作家・森功氏がレポート(時事通信フォト)

「飲み会を断わらない女」──東北新社に勤める菅首相長男からの接待問題で辞任することになった山田真貴子・前内閣広報官は、自らをこう名乗った。菅首相はよほど「断わらない女」が好きらしい。山田氏の抜擢に続き、首相の肝煎りで五輪組織委会長になった橋本聖子氏は、その点で山田氏を上回る“逸材”だという。

 東京五輪の開催問題で重要な役割を担う橋本氏は、現役時代の滑りと同じく、権力と名誉には何でも前傾姿勢で突っ込んでいくようだ。ノンフィクション作家で『菅義偉の正体』著者の森功氏が、橋本氏の“乱脈ぶり”をレポートする。(敬称略)

 * * *
 菅義偉の長年の後援者として知られるグルメサイト「ぐるなび」会長の滝久雄は、菅政権の誕生とほぼ時を同じくして文化功労者に選出された。選考理由の一つに挙げられた「ペア碁の普及」そのものへの疑問は措くとして、そこに尽力した意外な人物がいる。先頃、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長に就任した橋本聖子である。

ホテル最大の宴会場で

 昨年12月12日午後5時前、500人収容できる東京・永田町のキャピトル東急最大の宴会場「鳳凰」の間に、当時五輪担当大臣だった彼女の姿があった。滝が母校・東工大に寄附した施設の竣工と、文化功労者の選出を祝う盛大な宴であった。

 折悪く、日本国中がコロナの第3波に見舞われた最中のことだ。2日後の12月14日には菅首相がGo Toトラベルの全国一斉停止に追い込まれる。その夜に首相自身が自民党幹事長の二階俊博らと高級ステーキハウス「ひらやま」で会食したくらいだから閣僚たちの意識が低かったのかもしれない。橋本もパーティーにいそいそと出かけた。

 飲食店の時短要請がなされ、ホテルは自粛ムードで客の出入りがほとんどない。鳳凰の間の入り口には他の者が入り込めないようロープが張られてホテルの係員が立ち、招待客以外はシャットアウトしていた。

「お名前とご所属をお願いいたします」

 約30人のスーツ姿のぐるなび若手社員らがマンツーマンで招待客に対応し、宴は18時に始まった。

 会場にはAからZまである丸テーブルごとに5人の席が用意されていた。隣同士がアクリル板で仕切られ、シャンパングラスとワイングラス2個、そして招待客が座る前から弁当もテーブルにセット済みだった。箸とフォーク、醤油が入った小皿が置かれている和洋折衷の弁当だ。ぐるなびと提携する楽天社長の三木谷浩史の姿もあった。

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