2015年前後に誕生したといわれる「パパ活」という言葉。もともとは、お茶や食事をするだけで金銭をくれる男性(パパ)を探すという意味だったが、いまではそこから“一歩踏み込んだ関係”を持つ場合も含まれるようになった。
大人の関係を伴うパパ活が一般化する一方で、リスクや法的な問題点が必ずしも周知されているとは言い難い。その問題点について、ナイトビジネス業界の法務に精通し、その健全化に助力しているグラディアトル法律事務所代表弁護士の若林翔氏が指摘する。
「お金などの対償(対価)を受けたり、受ける約束で、不特定の相手方と性交することは、売春防止法が定める売春行為に当たります。しかし、同法では“売る女性”にも“買う男性”にも処罰規定はなく、罪の意識がないまま売春行為を続けている現状があります。
処罰の対象となる可能性があるのは、パパ活を斡旋している業者や個人ですが、実際に取り締まられるケースは少ないのが現状です。そうした結果、性的被害や相手からの恐喝、報酬をめぐるお金のトラブルや詐欺被害など、男女問わず危険に巻き込まれることもあるので、問題点は多いと考えます」
法の網の目をくぐり抜け、今日もどこかでパパ活は行なわれている。
取材・文/河合桃子 モデル/辻さくら 撮影/井上たろう
※週刊ポスト2021年4月30日号