国内

東京23区のワクチン配分格差 葛飾区と豊島区で8倍もの差が出た理由

東京都の各自治体への配分に格差が現れた背景は?(イメージ)

東京都の各自治体への配分に格差が現れた背景は?(イメージ)

 ようやく高齢者の接種が始まった新型コロナウイルスのワクチン。だが、東京都の各自治体への配分には、大きな“格差”が生じている。

 東京都の場合、4月26日週と5月3日週の高齢者向けワクチン配分量は、最も多い葛飾区が47箱なのに対し、豊島区はわずか3箱。その結果、65歳以上の摂取可能率はそれぞれ20.9%、2.6%と約8倍もの差がついている。

 なぜこれほどの違いが生じたのか。厚労省健康局健康課予防接種室の担当者が語る。

「高齢者向けのワクチンは、4月26日週からは全国1741市区町村にまず1箱ずつ。それに加えて4000箱を各自治体の希望に応じて配分しました。希望量は4000箱を上回ったため、実際の配分量は希望量より少なくなっており、そこには高齢者人口の割合も考慮されている。具体的にどう市区町村に分けるかは各都道府県が決めています」

 新規感染者が連日1000人を超えている大阪府では、高齢者人口に応じて全43市町村に均等に配るとしている。

 では、東京都内の差はどうして生じたのか。東京都福祉保健局のワクチン担当者はこう説明する。

「厚労省の予防接種室に『希望量について統一した基準を示す予定はあるか』と問い合わせたところ、『その予定はない』との回答だったため、各区市町村から上がってきた希望量に応じて配分しました。

 厳密に必要量を計算して2週間分の希望量を提出した区市町村もあれば、ワクチン供給が先行き不透明なことを見越して少し余裕を持った希望量を提出した区市町村もあったため、結果的に確保量にバラツキができてしまいました」

 23区で最も配分量が少なかった豊島区の担当者は、

「本来は必要な量だけ希望すればいいのですが、たとえば葛飾区さんでは2週間中に必要な分だけでなく、今後の高齢者接種に必要な分のすべてを希望し、ある程度の確保につながったと聞いています。我々も今後は厳密に2週間分ではなく、ある程度の希望量を注文する予定です」

 と、恨めしそうに“反省”を口にした。

 一方、葛飾区の担当者はこう語る。

「希望量の約8割程度を確保できました。他の区市町村がどれくらいの希望量を提出したのかは把握していませんが、いずれの区市町村でも提出した希望量に対して、一律に同じ割合で配分されているものと認識してます」

関連キーワード

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
外交ジャーナリスト・手嶋龍一氏(左)と元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が対談
【手嶋龍一氏×佐藤優氏対談】第2フェーズに突入した中東情勢の緊迫 イランの核施設の防空網を叩く「能力」と「意志」を匂わせたイスラエル
週刊ポスト
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン