量だけでなく、配分の“スピード格差”も問題になっている。東京23区では、“第一便”が届いたのが、世田谷区が4月5日週だったのに対し、千代田区は4月26日週と3週間以上の差がある。
「4月5日週から19日週までは都への配分量が44箱に限定されており、全区市町村に公平に配分するには数が足りなかった。そこで各区市町村と相談のうえ、高齢者人口の多い自治体から配分することに決めました」(前出・東京都福祉保健局ワクチン担当者)
65歳以上の高齢者人口の数が世田谷区に次いで多いのは足立区だが、世田谷区とともに最初に配分されたのは八王子市。これは「特別区と市町村部に分けると、それぞれ最も高齢者人口が多い」(同前)からだという。
高齢者に対するワクチン接種開始時期もバラバラで、高齢者人口に応じて均等に配分した大阪でも、65歳以上の一般高齢者のワクチン接種は、堺市では5月1日(75歳以上は4月26日)からなのに対し、大阪市は5月中旬とムラがあるのが現実だ。
行き当たりばったりの感は否めない。このワクチン格差が自治体間に軋轢を生まなければいいが。
※週刊ポスト2021年5月7・14日号