ライフ

脳の専門医が教える「頭のメンテナンス法」 対人ゲームや二重課題が◎

脳の老化を防ぐための方法は?(Getty Images)

脳の老化を防ぐための方法は?(Getty Images)

「顔は思い出せるのに、名前が思い出せない……」「玄関のカギ、ちゃんとかけたっけ?」──。誰もが時おり襲われる“もの忘れ”の不安。人類の英知をもってしても、人間の脳の全容解明には至っていない。だが、「生活習慣を変えれば脳の老化は防げます」とアドバイスするのは、認知症の予防・治療の第一人者で、アルツクリニック東京院長の新井平伊医師だ。新井医師が、今日からすぐできる「頭のメンテナンス」方法を指南する。

 * * *

酒は「量」より「頻度」が危ない

 個人差がありますが、脳へのダメージが大きいのは、一度に飲む量よりも毎日飲む習慣です。脳の萎縮を着実に進めるからです。もの忘れを自覚するようになったら、節酒、可能ならば断酒が望ましいです。もの忘れが気になり受診した軽度認知障害(MCI)の人に私は「人生取るか、酒取るかで10年後が全然違います」と話します。

寝不足は脳の大敵

 老廃物のアミロイドβは通常、睡眠中に代謝・分解され、脳の外へ洗い流されます。睡眠時間が短いと排泄が遅れ、寝不足でアミロイドβの蓄積が進むというデータがあります。最適な睡眠時間は個人差がありますが、疫学的なデータから、6.5~7時間が最も認知症になりにくく、6時間未満と8時間以上は2倍、認知症になりやすいとされます。

対人ゲームで前頭葉を活性化

 お勧めはトランプなどの対人ゲームです。相手の手を予測し、自分の手を考えるからです。決められた答えがなく、推察し、思考して判断する作業の連続は前頭葉を大いに使います。計算ドリルなどいわゆる「脳トレ」の有効性に私は否定的です。単純に同じ作業を繰り返すだけでは脳の限られた部分しか使わず、十分な刺激にならないからです。

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン