ワクチン接種は巨大ビジネスになりつつある(大阪市北区の接種会場=時事)
全国的にも旅行会社がワクチン接種を受託しているケースは多いようだ。確かに、会場設営や市民への連絡、誘導などは旅行会社のノウハウが活かせる分野かもしれない。一方で、医師や看護師などを手配することは通常業務とはあまり関係ないようだが、その点は行政が地元の医師会や看護協会との仲介役になったり、人材派遣・人材紹介の専門業者を活用したりしているようだ。
万が一にも接種会場での感染拡大やクラスター発生があってはならないが、その点は旅行会社として万全に対応できるのだろうか。
「換気には特に気を付けています。CO2センサーでCO2濃度を常に監視し、換気を心がけています。空気清浄機やサーキュレーターも何台も置いています。着席する椅子は使うごとに消毒し、来場者が問診票などの記入に使ったボールペンも一回ごとに消毒しています。消毒液はかなり消費していますね」(同前)
旅行業者も窮地に活路を見つけなければ生き残れない。その企業努力がコロナ克服に活かせるなら国民にとっても行政にとっても朗報だ。ただし、民間委託の常である「中抜き」や「丸投げ」「ぼったくり」が横行しないかどうか、行政や議会、メディアが目を光らせることも必要になる。まして、それを利権化するようなことは、ゆめゆめあってはならない。