プラスサイズモデルとして活躍する吉野なおさん。右は過酷なダイエットをしていた頃(本人提供写真)
「糖質を摂らずに肉や動物性脂肪ばかり食べていたために、悪玉コレステロールの数値が異常に高くなり、一時的に脳の小さな血管が詰まっていたのです。一歩間違えれば、脳梗塞になって後遺症が残ったかもしれないと言われ、ゾッとしました」
偏った食事制限により、たんぱく質と脂質ばかり摂り続けると、過剰な動物性脂肪(飽和脂肪酸)によって血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上がるのだ。
事実、国立国際医療研究センターの調査では、総カロリーに対して炭水化物の摂取量が少ない人の方が、総死亡リスクが1.31倍高いことがわかっている。
寿命を縮めるのは、糖質制限に限った話ではない。
「無理な食事制限をすると、鉄欠乏性貧血のほか、カルシウム不足による骨粗しょう症で骨折しやすくなります。
そして、女性が最も避けるべきなのは、油抜きダイエット。油は、摂取量ではなく質が重要です。全身の細胞膜やホルモンは、その多くがコレステロールからつくられます。過剰な食事制限でコレステロール値が下がりすぎると、女性ホルモンなどがうまく分泌されなくなり、月経が止まったり、皮膚がシワシワになったりする。美しく健康になりたくて臨んだダイエットで、若さも健康も一気に損なわれてしまうのです」
※女性セブン2021年6月3日号
やせ願望が強い日本人
太りすぎよりもやせすぎの方が危険