不調から抜け出せない渋野だが、大舞台に強いだけにまだわからない(時事)
今年に入って12戦5勝の稲見が、未だ「ゼロ勝」の渋野を逆転するのに3か月もかかっただけでなく、この先まだ“一発逆転”のチャンスが残されているというのだ。腑に落ちない選考システムな気もするが、沼沢聖一プロはこう解説する。
「単純な話で、世界ランク上位の選手が集まる米女子ツアーはポイントが高く、世界ランク下位の日本人選手がほとんどの国内ツアーはポイントが低いということ。とりわけ世界メジャーの大会はポイントが高いが、それだけレベルが高くて勝つのが大変ということです。渋野がメジャーで上位に食い込めば、それが評価されるのは正当なことでしょう。
ただ、今の稲見が凄いのは間違いない。先週の1ラウンド13バーディーというのは凄まじい記録です。パターのうまさも目立ちましたが、やはり稲見の強みはアイアンのコントロール、正確さでしょう。5メートル以内のバーディチャンスにつけられることが素晴らしい。アイアンの打ち方は渋野と対照的に、上からダウンブローで打ち込んでいる。切り返しから左に体重を乗せていくことで鋭角にフェースが入り、バックスピンが多いからボールが曲がらずに止まる。いまの日本人女子では実力は一番だと見ています」
今年に入って快進撃を見せる新ヒロインが順当に代表の座を手にするのか、一昨年の“シンデレラ”が奇跡の再逆転を果たすのか。