ジュニアの育成にも力を注ぐジャンボ(今年2月、アカデミーのセレクションの様子)
今回、プレーオフを争った笹生と畑岡をはじめ、全英オープンを制した渋野日向子、ジャンボ門下生の原など、日本女子の著しいレベルアップについてはこう話していた。
「女子はみんな努力家だけど、特に笹生や英莉花はやるべきことをやっている。自覚が出てきて楽しみだね。男子よりもはるかに前向きだ。ライバル意識が強いし、負けす嫌いだからね。男子は野球やサッカーなど稼げるスポーツはたくさんあるけど、女子にとって最大のメジャースポーツはゴルフということもあるだろう。裾野がどんどん広がるから、いい選手が出てくる。笹生もそうだが、鍛えている女子はももの太さも違うし、ガシッとしたお尻とか、体格を見れば努力のあとがわかる。みんな頑張っているね」
今夏の東京五輪はフィリピン代表としての出場を目指す笹生。メジャー制覇で代表入りは確実視されるが、ここに至るには家族のサポートもあった。
「笹生が“(宮里)藍ちゃんのようなプロゴルファーになりたい”と言い出したのは8歳の時だったといいます。当時は日本に住んでいたが、練習環境を求めてフィリピンに渡ったことも含め、父・正和さんのサポートが大きかった。10代で各国を転戦し、すでに大会で訪れた国は16か国にのぼります。そうした経験で、英語、日本語、タガログ語から韓国語、中国語まで話せるようになった。今回の優勝インタビューも流暢な英語で答えています」(前出ゴルフジャーナリスト)
今回の優勝で全米オープンの10年間シードに加え、次週からの米女子ツアーの出場権を手にした。世界レベルのドライバー(日本女子ツアーでは262・00ヤードで1位)もある。師匠・ジャンボのお墨付きの飛距離と努力で世界の頂へ向かって駆け上り始めた。