プロビーチバレーチームを運営する会社「ITEC WINDS」を立ち上げて20年。売り上げを海外遠征資金に(写真/本人提供)
戦わずして夢破れたのは女子ボクシングの津端ありさ(28)も同じだ。6月の世界最終予選に臨む予定だったが、その大会がコロナの感染拡大を理由に中止に。看護師である彼女は、今年に入って消化器外科の病棟勤務から精神科のクリニックに職場を移り、ボクシングに集中できる環境を整え、体を作ってきたが、その成果は披露できなかった。
「自分が1年間やってきたことを試す場がなくなり、喪失感で抜け殻のようになってしまった。選手の気持ちも、医療従事者としてコロナ病棟で働いている友人の気持ちもわかる。五輪の開催には賛成とも反対とも言えない。それが正直な気持ち」
競技歴は3年。彼女は3年後のパリを目指すという。
取材・文/柳川悠二
※週刊ポスト2021年7月2日号