ライフ

漫画界でも「釣りガール」が大ブーム 「競争」ではなく「楽しさ」に重点

いまの釣り漫画は何が違う?(画像は『放課後ていぼう日誌』)

いまの釣り漫画は何が違う?(画像は『放課後ていぼう日誌』)

 空前の釣りブームと言われる現在、釣り漫画も人気ジャンルとなっている。かつて釣り漫画といえば『釣りキチ三平』を筆頭に少年や男性が主人公だったが、累計120万部を突破した『放課後ていぼう日誌』など、このところ釣りガールを主人公に据えた作品が活況を呈している。

『マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?』などの著書で知られるライターの飯田一史氏は「女子+風光明媚な舞台+アウトドア+食などといった組み合わせの作品が2010年代半ば頃から多種多様に台頭してきた流れがあり、釣りガール漫画もその一環と捉えられます」とブームを解説する。

 往年の釣り漫画との違いについて、飯田さんが指摘するのは「競争」の有無だ。

「近年の釣りガール漫画は、魚を釣って調理して食べることの楽しさや、釣りを通じて人間関係が深まる喜びに焦点を当てています。『釣りキチ三平』や『釣りバカ日誌』のように、人間同士の比較、人間と魚の勝敗に力点を置いて描いていません」

 釣りの快楽や豆知識を描く部分は過去の名作と共通しているものの、シビアな対決は描かないのが釣りガール漫画。

「なにかと競争を強いられる世の中の対極にある“まったり感”への需要が人気の背景では」(飯田氏)

 和やかに釣りを楽しむ女子たちの友情が、読者にとって一服の清涼剤になっているようだ。

※週刊ポスト2021年7月2日号

親の再婚で姉妹になった2人のフライフィッシングライフを描く『スローループ』

親の再婚で姉妹になった2人のフライフィッシングライフを描く『スローループ』

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト