じめじめとするこの季節、家事の中でも特に気になるのは洗濯だ。部屋干しの生乾きも気になるし、型崩れも気になる。そして、洗濯機をかけて、干して、取り込んで、畳んでという作業もなかなか億劫だ……。洗濯を上手かつ効率的にこなすコツはないのだろうか。シンプルライフ研究家マキさんはこう言う。
「完璧を求めたら、家事には際限がありません。ですから、自分の目的を決めたら、途中の作業は省いても構わないと思っています。私の場合、毎日清潔な衣類を家族に着せることが目的なので、たたんできれいにしまうことは省いています」(マキさん)
下着類は乾いたら物干し場近くの引き出しにたたまず、バサッと入れるだけ。毎日洗濯するので、乾いてから次に着るまではわずか数時間。引き出しは一時的な置き場なので、きれいにたたんでしまう必要はないという。
また、洗濯は工程が多くて大変だと思っている人が世の中に多いのか、洗濯を楽にする便利グッズも多数ある。ここでは、洗濯の負担を軽くするテクニックと便利グッズについて、家事の達人に聞いた。
色落ちやくすても別洗いしない
「まとめ洗いによる色物の色移りを防ぐシートを洗濯機に入れて洗えば、白シャツもジーンズも一緒に洗えるので、節水・節電・時短になります」(知的家事プロデューサー・本間朝子さん)
洗濯ばさみは使わない
「下着や靴下などの小物類は乾燥機にかけるほどでもないけれど、1つずつ洗濯ばさみに挟んで干すのは手間。そういう場合、平干しネットに並べて置いて乾かすのも手です」(本間さん)
アイロンをかけない
「シャツはアイロン不要の形態安定素材を選ぶ、ハンカチは持ち運べる大きさにたたんで干すとアイロン要らず。また、洗濯時にしわがつきにくい便利グッズもおすすめ」(本間さん)
靴は手洗いしない
「靴のこすり洗いは、かなり力が要りますが、靴洗い用の洗濯ネットを使えば、スニーカーなどの布製の靴は洗濯機で洗えます」(本間さん)
靴が洗濯機で洗える。シューズ丸洗いブラッシングネットも。
普段着とおしゃれ着を分けて洗わない
「おしゃれ着は厚手の洗濯ネットを二重にして入れると、普段着と一緒に洗ってもダメージが少ないので、衣類を分別する手間も、洗濯回数も減らせます」(本間さん)
洗濯が大変なマット類は最初から敷かない
「わが家では、マット類の使用をやめました。洗濯の手間がグッと減りましたよ」(家事研究家・翻訳家の佐光紀子さん)。
風呂場マットには洗わずに繰り返し使える珪藻土マットがおすすめだという。
乾きにくくてかさばる大判バスタオルは使わない
「大判バスタオルの使用をやめ、体を拭くのもフェイスタオルにしたところ、収納場所も洗濯物も半減。わが家では男性1枚、女性2枚と枚数も決めています」(本間さん)
衣類はハンガーで干して、たたまない
「洗濯物はすべてハンガーに吊るして干し、乾いたらそのままクローゼットへ。下着類以外はハンガー収納なので、たたんで引き出しにしまう手間が省けます」(マキさん)
【4人の家事の達人】
知的家事プロデューサー 本間朝子さん/時間と無駄な労力を省くメソッド「知的家事」を考案。多くの主婦の悩みを解決し、家事家電や住設備のAI化にもいちはやく対応。『ゼロ家事』(大和書房)など著書多数。
家事研究家・翻訳家 佐光紀子さん/自然素材を使った家事の研究のほか、海外暮らしの経験から世界の家庭事情にも精通。近著は『なぜ妻は「手伝う」と怒るのか 妻と夫の溝を埋める54のヒント』(平凡社新書)。
複業ワーカー 唐仁原けいこさん/夫と運営する結婚相談所や代理店業などをこなす3児の母。コロナ禍に開設した「主婦業9割削減を目指すブログ」で注目を浴びる。著書に『主婦業9割削減宣言』(中央公論新社)がある。
シンプルライフ研究家 マキさん/ブログ「エコナセイカツ」で、時短家事のアイディアを発信中。主な著書に『しない家事』(すばる舎)、『なくす家事』(KADOKAWA)など。
取材・文/村重真紀 イラスト/尾代ゆうこ
※女性セブン2021年7月1・8日号