相手と自分のわずかなズレが気になってしまう
——石神さんは婚活を通じて大勢の女性とデートしてきました。これは率直な疑問ですが、なぜ成婚にまで至らないのでしょうか……?
石神:「婚活アリ地獄」にはまっているからだと自己分析しています。この年齢になると、人間どうしても自我が育ちきって、好き嫌いがはっきりしている。だから、相手と自分のわずかなズレが気になってしまう。日常生活で出会った相手との恋愛ならば、相手ととことん話し合うでしょう。
でも婚活ツールでの出会いだと、すぐにあきらめてしまいます。「またアプリで違う人にデートを申し込めばいいや」と考えてしまう。実際にまた出会えますから。ここを修正するのが今の僕の課題です。とはいえ、婚活アリ地獄にはまっているのは女性側も同じことなので、「はい、次」という気持ちになっている相手とコミュニケーションを重ねる虚しさもありますが……。しつこさも大切かもしれませんね。ストーカーと思われないように注意を払いながらも頑張らないと。
——最後に、婚活中の同世代に向けて励ましの言葉をお願いします。
石神:誰かと人生を共に過ごすためには、まず自分自身がちゃんとしていなきゃダメだと実感しています。「ちゃんとする」というのは、見た目のこともそうですし、生き方もそうです。仕事をしっかりやって、ジムへ通うなどコンスタントに運動をして、若い世代の人の意見をきちんと聞くだけでも、見た目も心もおじいさんにならないと思っています。声からも、目からも力を失わないでいられます。頑張っているうちは出会いのチャンスがあると信じています。
●取材・文/原田イチボ(HEW)