「顧客の期待」を超え続けたカローラ
大衆車の点数は50点が普通のところ、「カローラ」は、さらに上の80点を目指したのです。今風に言えば「コスパが良くないといけない」ということでしょう。それは、「顧客の期待を超える」ことと同じことになります。
ちなみに、トヨタは「カローラ」の前に、価格を抑えた「パブリカ」を1961年に発売しています。「パブリカ」はシンプルで可愛らしいクルマでした。ところが、質素で豪華さがなく、思ったようにヒットしませんでした。
そこで1966年に発売された「カローラ」は、エンジン排気量をライバルよりも100cc大きくし、新技術も数多く採用しました。価格やライバルよりも、ちょっと良いクルマだったのです。
そんな「顧客の期待を超える」魅力を備えた「カローラ」は大ヒットモデルとなります。また、日本だけでなく世界でも歓迎され、1966年の発売から現在まで世界150以上の国と地域で累計4800万台以上を売るほどのベストセラーカーとなりました。
新型「カローラクロス」を見れば、外観は価格よりも上の車格感があり、走りも良く、居住性や利便性まで優れています。まさに「カローラ」の伝統である「80点主義」を受け継いでいるのです。