ユーザーからの評価が50点では「失格」

 トヨタが言うところの「お客様の期待を超える」という文言は、過去の「カローラ」シリーズでも何度も使われていたもの。ここに「カローラ」シリーズの魅力の神髄があります。そして、そうした部分を、かつては「80点主義」と呼んだのです。

「80点主義」は、現代の価値観からすると誤解されやすい表現です。「なぜ、100点を目指さないのか?」と感じる人もいるでしょう。「100点満点を目指さない、妥協主義なのか?」と思う人もいるかもしれません。しかし、「カローラ」が目指した「80点」は、まったく逆の意味でした。

 なぜなら、初代「カローラ」が生まれた1960年代の日本の自動車産業は、まだまだ黎明期だったからです。また、「カローラ」は“大衆車”として生まれています。その上には、「コロナ」や「クラウン」といった、より大きく高額なクルマがいました。

 初代カローラの開発に携わった長谷川龍雄氏は、こう説明しています。

〈幅広いファミリーカーとして使用されるには、例えば中型車のように性能、居住性、フィーリングなどで満点に近い評価であっても、維持費や価格の面で一般ユーザーの手が出ない、いわば大衆車ユーザーからの評価が50点では、大衆車として失格です。

 大衆車は、あらゆる面で80点以上の合格点でなくてはなりません。後は固有技術なり、その車の特徴として特にどの点を80点より引き上げ、セールス・ポイントにするかです〉(トヨタ自動車75年史HPより/第3節 新型車の開発・販売─フルライン体制の推進 第1項 カローラより)

 つまり、中型車は100点でも一般ユーザーは高くて買えません。そうかといって大衆車は50点でいいかといえば、それも失格。価格に対して、もっと上、80点を合格点としたいと言っているのです。

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