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アリババの地元、杭州市トップが身柄拘束 子会社上場に便宜か

浙江省杭州市のトップが身柄を拘束され、取り調べを受けていることが明らかに

浙江省杭州市のトップが身柄を拘束され、取り調べを受けていることが明らかに

 中国ネット通販最大手のアリババ集団が本社を置く浙江省杭州市のトップ、周江勇・中国共産党杭州市委員会書記が8月下旬、「重大な規律違反の疑い」で党員の不正を取り締まる党中央規律検査委員会によって身柄を拘束され、取り調べを受けていることが明らかになった。事実上の失脚で、昨年11月のアリババ集団傘下の金融会社、アント・グループの上海と香港の両証券取引所での新規上場に絡み、市当局が書類審査などで便宜を図ったとの疑惑がもたれている。

 アント・グループについては、上場予定日の2日前に、両証券取引所が突然、上場延期を発表しており、この決定は習近平国家主席の鶴の一声で決まったことから、中国金融当局がアント上場を妨害したと伝えられている。ネット上では「いよいよ習近平の復讐が地元当局にも及んできた」との声も出ている。

 周氏は1967年に浙江省寧波市生まれの54歳で、18歳で省政府に入り、省内の舟山市長や温州市党委書記などを経て、2018年5月から杭州市トップを務めている。

 アリババ集団の創始者、馬雲氏は杭州市出身で、地元トップの周氏と良好な関係を築いている。2019年9月には馬氏に「功労杭州人」の名誉称号が授与されている。馬氏は授与式のスピーチで、「杭州がなければ、馬雲もいないし、アリババもなかった。 杭州市政府とアリババの関係は新しいタイプの政府と企業の関係で、極めて融和的な関係といえる」と述べて、両者のウィンウィンの関係を誇示して見せた。

 その後、市政府とアリババは「包括的かつ深化した戦略的協力協定」を締結。 周氏は「これまで通り、アリババに包括的なサービス支援などを提供し、アリババのより速い発展を揺るぎなく支援する」と語っていた。

 昨年11月の上海と香港の両証券取引所への上場計画についても、地元政府として上場の準備に全面的に協力したと伝えられている。ところが、突然の上場延期によって、市当局とアリババの間で不正があったとのうわさも流れていた。

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