普段の食事に積極的に取り入れよう
水分補給と並行して取り組みたいのは、適度な運動だ。循環器科医師の梅津拓史さんが解説する。
「血液を循環させるポンプ作用は、年を重ねるほど筋力と比例して低下していきます。特に足の筋力は血流にとって重要な役割を担っていますが、使わなければどんどん落ちていく。筋肉を増やすには最大筋力の40%以上をかける必要がありますが、実は歩くだけでは筋肉の5%しか使っておらず、階段をのぼるときでも15%ほどでしかありません」
そう話す梅津さんが、いつでもどこでもできる運動として推奨するのが、スクワットだ。
「足を肩幅の2倍以上開いてスクワットをする『ワイドスクワット』を試してみてほしい。15回を2セット行えば、筋肉が鍛えられ、血流がグンとアップします」(梅津さん)
医師でハーバード大学客員教授の根来秀行さんによれば、「呼吸」も血流に大きく影響するという。
「コロナ禍で不安やストレスの多い現在、私たちの体は興奮したときに働く交感神経が優位になりやすい状態になっています。これが続けば、体は常に緊張状態になり、呼吸が浅くなる。交感神経が優位な状態では毛細血管が収縮し、血流が悪化します。浅い呼吸は毛細血管を収縮させ、血流を悪化させます。意識して呼吸を整え、全身に血を巡らせることが重要です」
根来さんが提唱するのは交感神経の過度な上昇を防ぎ、毛細血管の収縮を防ぐ「4・4・8呼吸法」だ。
「まずは楽な姿勢で腰かけ、お腹の動きに意識を向けやすいよう、おへその上に軽く手を置きます。始める前の準備運動として腹式呼吸を2~3回繰り返し、鼻から息を吐き切ってください。お腹がへこんだことを確認したら、4秒かけて鼻から息を吸い、吐かずにそのまま4秒、息を止めます。その後、お腹を絞るようなイメージで、8秒かけて鼻から細く長く息を吐く。これを4回繰り返して」(根来さん)
血流アップに加え、自律神経が整ったことで夜ぐっすり眠ることができる、免疫力あが上がるなどさまざまな健康効果が見込めるという。
サラサラの血液は医者いらず。まずはランキング内の食品を使って献立を作るところから、始めてみたい。
※女性セブン2021年9月16日号