芸能

山本リンダが仮面ライダー撮影現場を回顧「ムカデにこまっちゃうナ」

仮面ライダーで「マリ」を演じた山本リンダ(左から2番目/写真は本人提供)

仮面ライダーで「マリ」を演じた山本リンダ(左から2番目/写真は本人提供)

 1971年に放送が始まった『仮面ライダー』は、藤岡弘(現・弘、)の負傷により、急遽、仮面ライダー2号として一文字隼人(佐々木剛)が登場する。その2号ライダー編から、作品の雰囲気は一気に華やかになった。

 それまで仮面ライダー1号を助けてきたFBI捜査官の滝和也、立花藤兵衛のほかに、血気盛んな女の子たちがショッカーとの戦いに加わったからだ。中でも、紅白出場歌手として人気を集めていた山本リンダの参加は「仮面ライダー」の世界を、よりエンターテインメントへと導いた。当時の思い出を語ってもらった。

 * * *
 レコード会社の移籍にともない、音楽の活動が制限されていた時期に、仮面ライダーに出ませんか、とオファーが来たんです。

 すぐに承諾しました。私ね、昔から好奇心が強くて、何事にも挑戦することが大切だと思っているの。子供番組だとか、そんなことは気にしないで、私にできることなのであれば、とお引き受けしたんです。それに、実は私、子供の頃、お転婆だったんです(笑)。アクションシーンもあるといわれ、逆にもう、ドキドキワクワクしていたくらい。

 私が演じたのはマリという女の子でフェンシングが得意という設定。スタッフは私にアクションの経験がないから、剣でも持たせておけば、蹴ったり投げたりしなくてもそれなりに格好がつくのでは、と思ったんじゃないのかな(笑)。もちろん、撮影が始まる前に、都内のフェンシングクラブに通い、突き方など一通りの動作は習ったのよ。

 海や山のロケが多かったんだけれど、とっても楽しくって。撮影の合間は、ほかの女の子たちと大騒ぎ。まるで修学旅行でした。

 この2枚の写真は大阪城近くの野原でのロケ。いつものように、みんなで撮影の合間に四つ葉のクローバー探しや首飾りを作ったりして遊んでいたんですけど、いきなり大きなムカデが出てきてワーキャーって(笑)。その後、十字架に縛られるシーンを撮影したのですが、いつムカデがニョロニョロ下から這い上がってくるか怖くて怖くて。“仮面ライダー、早く私たちを助けて!”と演技を忘れて真剣に願っていましたね。

 そうそう、ムカデに対する私たちの怖がり方をスタッフの方が覚えていたのか、のちにムカデラスという怪人が現われたときは、みんなで笑っちゃいました。

 半年後、そんな楽しい現場を離れて、私は本格的な音楽活動を再開することになりました。

 おかげさまで『どうにもとまらない』がヒットし、新聞や雑誌が“『こまっちゃうナ』の山本リンダが『どうにもとまらない』で変身した”と書いてくださったの。「変身」の言葉に仮面ライダーが背中を押してくれているような気がして、心強かったのを憶えています。

【プロフィール】
山本リンダ(やまもと・りんだ)/1966年『こまっちゃうナ』で歌手デビュー。その後、多くのヒット曲を歌い、日本レコード大賞特別賞など多数受賞。

※週刊ポスト2021年10月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
歴史的快投を続けるカブスの今永昇太(写真/共同通信社)
【MLBで三振の山】カブス今永昇太、快進撃の秘密 内川聖一氏は「ストレートの回転数が多く、空振りを誘う」と分析
週刊ポスト
期待される2人の先行きが視界不良(左から大の里、二所ノ関親方)
【角界ホープ2力士に暗雲】尊富士は横綱・照ノ富士と宮城野親方の板挟み、大の里は師匠・二所ノ関親方の管理能力に不安要素
週刊ポスト
世紀の婚約発表会見は東京プリンスホテルで行われた
山口百恵さんが結婚時に意見を求めた“思い出の神社”が売りに出されていた、コロナ禍で参拝客激減 アン・ルイスの紹介でキャンディーズも解散前に相談
女性セブン
真美子夫人は「エリー・タハリ」のスーツを着用
大谷翔平、チャリティーイベントでのファッションが物議 オーバーサイズのスーツ着用で評価は散々、“ダサい”イメージ定着の危機
女性セブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者(51)。ストーカー規制法違反容疑の前科もあるという
《新宿タワマン刺殺事件》「助けて!」18階まで届いた女性の叫び声「カネ返せ、カネの問題だろ」無慈悲に刺し続けたストーカー男は愛車1500万円以上を売却していた
NEWSポストセブン
氷川きよしが独立
《真相スクープ》氷川きよしが事務所退所&活動再開 “独立金”3億円を払ってでも再出発したかった強い思い
女性セブン
殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)
【むかつくっすよ】那須2遺体の首謀者・関根誠端容疑者 近隣ともトラブル「殴っておけば…」 長女内縁の夫が被害夫婦に近づいた理由
NEWSポストセブン
初となる「頂上鼎談」がついに実現!(右から江夏豊、田淵幸一、掛布雅之)
【江夏豊×田淵幸一×掛布雅之の初鼎談】ライバルたちが見た長嶋茂雄秘話「俺のミットを“カンニング”するんだよ」「バッターボックスから出てるんだよ」
週刊ポスト
曙と真剣交際していたが婚約破棄になった相原勇
《曙さん訃報後ブログ更新が途絶えて》元婚約者・相原勇、沈黙の背景に「わたしの人生を生きる」7年前の“電撃和解”
NEWSポストセブン