国内

国会議員でいるために政界を渡り歩く「信念なき5議員」を許していいのか

議席維持のために自民党へ鞍替えする議員も(写真/共同通信社)

議席維持のために自民党へ鞍替えする議員も(写真/共同通信社)

 新たな総理大臣を決めることとなる自民党の総裁選は、国民不在のなか終わった。しかし、総選挙では、国民こそが主役となり、その1票で政治に意見をぶつける貴重な機会となる。

 総選挙で投票したい候補がいないとういう有権者もいるだとう。それならば、「ためにならない政治家」を懲らしめることもできる。それが落選運動だ。一言で言えば、国民が候補者の素行や過去の言動をチェックしてその事実を他の有権者に広く知らせ、当選させないようにする。やり方は、ネットやSNSでもいい。落選運動なら国民はいつでも政治家に「落選させるぞ」と主権者の力を示すことができるのだ。落選運動に値する議員達の行動を振り返ってみよう。

 国会議員バッジをつければ、高額な歳費や豪華な宿舎、航空機の無料パスなど特権が満載だ。だから野党には議席を維持するために選挙のたびに党を渡り歩く議員が多い。無節操なのは「寄らば大樹」と野党から自民党に鞍替えする議員だ。

 その代表格が民主党政権で大臣を歴任、その後も民主党幹事長を務めて「野党のホープ」と呼ばれた細野豪志氏である。

「首相の夢は捨てた」と自民党入りを希望して二階派に入会した。細野氏と当選同期の元民主党代議士で評論家の木下厚氏が苦言を呈する。

「細野は民主党当時からずっと自民党を批判してきたのに、コロッと二階派に入った。これは有権者に対する裏切りです」

 政権交代の夢も、首相の夢も捨てて議席にしがみつこうとするのは、「生活の糧」を得るためと見られても仕方ない。

 鷲尾英一郎氏は自民党入党後、衆院環境委員長、外務副大臣とトントン拍子に出世。長島昭久氏は、次の総選挙では自民党現職との競合を避けて東京18区から出馬する。

 選挙のたびに党を変えてきたのが元NHK記者の井出庸生氏だ。みんなの党で初当選(比例復活)し、2選目は維新の党、3選目の前回総選挙は希望の党で当選し、次の総選挙には自民党公認で出馬する。

 元北海道開発庁長官の鈴木宗男氏の長女・貴子氏も新党大地で初当選し、2選目は民主党から当選、前回総選挙前に自民党入りすると、北海道ブロックの比例名簿単独2位という“当選切符”をもらった。政治ジャーナリスト・伊藤惇夫氏が言う。

「彼らは自民党で出たかったけど、出られなかったから他党で立候補した、とにかく国会議員になりたかった人たち。有権者は候補者の過去の言動や行動を厳しく指摘し続けていく必要があります」

※週刊ポスト2021年10月15・22日号

あわせて読みたい

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト