国が所得格差による差別を是認したようにしか思えないケースもあった。東日本大震災で電力不足に陥ったとき、23区内では一時、荒川区と足立区が計画停電の対象になったが、理由は「都心部ではないから」と報じられた。これに対し「東電は周辺区を見くびっている」と両区長は猛反発した。
「富裕層と貧困層が住み分けて交流がなくなると、お金持ちは自分たちの生活が当たり前と思い、貧困層は貧困層でそう思い、格差を認識しなくなる。貧困層の親や子供は大学に行かないのが当たり前と考え、格差がさらに拡大して固定化されていく。こうした分断は思った以上に深刻化していて、東京は“階級都市”になりつつあります」
※週刊ポスト2021年12月3日号