姉妹で『東宝シンデレラオーディション』を受けた上白石萌音
そんな姿を見た両親は娘の覚悟を感じて「やれるところまでやらせてあげよう」と、サポートを惜しまなかった。
当初は、オーディションでグランプリを獲得した萌歌への、周囲の期待がふくらんだ。萌音はそんな状況にもくさることなく、自分の演技を磨き続けた。
芸能活動が本格化すると、毎週のように母が付き添って鹿児島から東京へ。萌音の中学卒業に合わせて、父親だけを鹿児島に残して上京した。現在、前述した“姉妹格差”のしこりはなく、萌音と萌歌は2人暮らし。そこへ母親がひんぱんに足を運んでいる。
「自分たちの芸能活動が順調に進むほど、家族4人が一緒にいられる時間が減っていきます。家族思いの萌音さんにとっては、両親を自分の夢に巻き込んでしまったという複雑な思いもあるようです。
だからこそ、生半可な気持ちで女優をやっているわけじゃない。何度も何度も台本を読んで、気づいたことをひたすら書き込みながら練習しています。いつも“ただ覚えるだけじゃ全然足りない”と口癖のように言ってますよ」(映画関係者)
あっという間にブレークし、国民的女優に邁進している萌音だが、過去の苦い経験もあってか決して天狗になることはない。
「とにかく裏方スタッフからの評判がいいんです。スタッフ全員の名前を把握していて、名前を呼んでから、おはようございますと挨拶する。決して事務的な挨拶じゃないから、こっちもうれしくなりますよ」(前出・テレビ局関係者)
確かな演技力と周囲への真摯な姿勢を武器に、萌音は新たな道を切り開いていく。
※女性セブン2022年1月1日号