錦鯉、歓喜の瞬間(写真は『M-1』公式HPより)
昨年議論呼んだマヂカルラブリーの功績
また、今回の大会が好評となった背景には、昨年優勝したマヂカルラブリーの功績もあるという。
「ここ数年、お笑いの賞レースはかなり盛り上がっていて、ネタのクオリティーが上がっていくとともに、独特のセンスを持ち合わせた芸人もどんどん台頭しています。だからこそ評価が難しくなっているという側面もあるんですが、視聴者がネタを楽しむ視点もどんどん多様化している。“いろいろなお笑いがある”という感覚が、コアなお笑いファンだけでなく、ライトなテレビ視聴者にも浸透しつつあるように感じます。
それもやはり昨年、マヂカルラブリーがある意味トリッキーなネタで優勝したことが大きい。マヂカルラブリーのおかげで、漫才のスタイルはひとつではないということを知った視聴者も多いだろうし、もっといろいろなスタイルのお笑いを知りたいと思った視聴者もいると思います。その結果、単純な点数だけで評価するのではなく、芸人たちそれぞれの個性を楽しむようになった視聴者が増えた。多様なネタを見ながら、“自分の好きなタイプのネタはこっちだけど、点数的にはあっちのほうが高いかな……”などと審査員のように悩んでいる視聴者も多かったのだと思います。そういう意味では、視聴者と審査員の感覚が近づいてきているのかもしれないですね」(大塚氏)
芸人たちのネタが多様化するとともに、視聴者の楽しみ方も多様化している。より深いお笑いの楽しみ方が浸透したことで、お笑い賞レースも今まで以上に盛り上がっていきそうだ。
今年の『M-1』は5組が発の決勝進出(写真は『M-1』公式HPより)
昨年、優勝したマヂカルラブリー(写真は『M-1』HPより)