芸能

往年の音楽番組『ザ・ベストテン』 セットを使い回ししないこだわり

aa

ザ・ベストテンで披露された松田聖子『白いパラソル』のセットデザイン画(セットデザイン/金子俊彦さん)

 1978年から1989年までTBS系で放送された音楽番組『ザ・ベストテン』。最高視聴率41.9%を記録した、伝説的な番組だ。

 毎週、厳正なランキングが発表され、歌手たちが生歌・生演奏を披露する『ザ・ベストテン』だが、スタジオで歌う歌手用の凝った美術セットはどう用意されたのか? 同番組で美術デザイナーを務めた三原康博さん(84才)はこう話す。

「ミラーゲートから出て来た歌手を応接セットで黒柳徹子さんと久米宏さんが出迎えてトークした後、右側の小ホリ側のバンド前か、左側の大ホリ前のどちらかに歌手を送り込むのです。

 この大ホリでセットがチェンジできるほか、ソファの対面にある大道具搬入口の黒幕前も次第に使うようになりました」

 ここで注目なのが、同じ曲でもセットが毎回新しくなる点だ。

「ぼくはデザインや美術というのはある程度“消費”しないといけないと考えています。

 セットを消費するということは、美術の協力会社からすれば毎回お金が入る。ぼくたちはものを考えることに徹することができ、そこにクリエイティブが生まれる。それが毎週あることはしんどいけれど、美術セットに携わる人にとってはよいこと。だから『ザ・ベストテン』の美術セットは使い回しをしなかったのです」(三原さん)

 これが浸透してくると、毎回斬新なセットを楽しみにする歌手もいれば、「どうして私はいつもバンド前なの」と言う歌手も現れた。歌が美術セットを刺激し、美術セットが歌手を刺激するいい関係が生まれたのだ。

取材・文/北武司

※女性セブン2022年1月20・27日号

黒柳徹子の『ベストテン』でのトークとは

『ザ・ベストテン』で司会を務めた黒柳徹子(黒柳のインスタより)

関連キーワード

関連記事

トピックス

一門はどうなるのか(左から香川、團子、猿翁、猿之助、段四郎。2011年撮影/共同通信社)
「市川猿之助」の名跡はどうなる? 市川團子が引き継ぐのが既定路線、襲名までは市川團十郎が後見人か
週刊ポスト
天海祐希(写真左/時事通信フォト)と市川猿之助(写真右)
《番宣キャンセル》天海祐希、滲み出る怒り “猿之助騒動”で映画『緊急取調室』ギリギリの公開判断迫られ「せっかくの絆が…!」瀬戸際の18日間
NEWSポストセブン
市議会で議長をつとめていた父・正道氏と青木容疑者
【長野立てこもり】“議長の父の後援会長”だった第一通報者の告白「政憲は、俺の目の前でブスッて…『殺したいから殺しただけだ』って」「父親は事件を聞いて崩れ落ちた」
NEWSポストセブン
悪評が広がり続けている日本維新の会の梅村みずほ参議院議員(時事通信フォト)
「ハンスト発言」騒動の維新・梅村みずほ議員 3年前に有権者に送っていた謝罪メールの「おかしな日本語」
週刊ポスト
市川猿之助は罪に問われる可能性は?
市川猿之助は罪に問われるのか “心中で生き残ったケース”は情状酌量により起訴されない場合も
週刊ポスト
エンゼルス・ネビン監督は大谷翔平とどんな会話をするのか?(提供:LosAngelesAngels)
【独占レポート】エンゼルス・ネビン監督が明かす大谷翔平の凄み「彼がこなすルーティーンより厳しくできる選手はいない」
週刊ポスト
ラッパー・呂布カルマ
グラドル好きの最強ラッパー呂布カルマ、風吹ケイをプロデュース グラビア撮影直後に語り合った「ぎゅうぎゅうの迫力」
NEWSポストセブン
紀子さま(時事通信フォト)
上皇ご夫妻とあわやニアミス! 紀子さま「隠密行動」の京都路でなぜか「見られなかったもの」
NEWSポストセブン
どうなる山川穂高
【強制性交容疑】山川穂高、書類送検で対応に追われるテレビ局 オフの「WBC特番」源田壮亮が代役か
週刊ポスト
帰宅ラッシュの駅に悲鳴が(六代目山口組の司忍組長/時事通信フォト)
【喫茶店で発砲、血の海に】町田・六代目山口組系組員射殺事件、事件直後の凄惨映像が出回る
NEWSポストセブン
花田虎上の元妻・花田美恵子さん(本人のインスタグラムより)
【激変の今】若乃花の元妻「元花田美恵子さん」激ヤセ、身長も縮み「顔が違う」インスタに驚きの声
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 野球まつり!大谷取材&江夏vs江川対談ほか
「週刊ポスト」本日発売! 野球まつり!大谷取材&江夏vs江川対談ほか
NEWSポストセブン