1月19日、まん延防止等重点措置が13都県に適用されることが発表された。期間は1月21日から2月13日までで、飲食店は時短を含め営業自粛を行うなど、経済活動の縮小が行われる。
この動きに歩調を合わせたのが「マラソン大会」だ。何度も日本記録更新の舞台にもなり、一般市民も楽しめる丸亀国際ハーフマラソン(第75回)は、1年延期されることに。八幡製鉄所の観光や地元グルメも合わせて楽しもうと、多くのランナーが集まる北九州マラソンも中止が発表された。
他にもここ数日で、湘南藤沢市民マラソン(神奈川県)、愛媛マラソン、鳥取マラソン、大洲市健康マラソン(愛媛県)、くすのきカントリーマラソン(山口県)、いかるがの里・法隆寺マラソン(奈良県)、天草マラソン(熊本県)、瀬戸内タートル・フルマラソン(香川県)、小松島「逆風」ハーフマラソン(徳島県)などが中止に。実業団や箱根のトップ選手が参加する全国男子駅伝(広島県。天皇杯)も、同様の事態となった。
例えば昨年も中止となっていた北九州マラソンでは、「陸連が定める『ロードレース開催についてのガイダンス』に基づいて新型コロナウイルス感染症予防対策を徹底します」などと掲げており、対策を徹底した上で開催されると見られていた。「今年こそは出られる」と思っていた市民ランナーは落胆の色を隠せない状況だ。
それを受けて元市民ランナーの川内優輝選手(34)は自身のTwitterで、「昨年のうちに大会中止を決定せず、様々な感染対策や準備をしてきた大会が、直前の政治判断で次々に中止に追い込まれ始めました」と投稿。「マラソンだけでなく、飲食も観光も対策に力を入れて努力すればするほど、政治判断で突然全てをひっくり返されて大きなダメージを受ける世の中が続いています」と苦言した。
その川内選手に、真意を聞いた。
「政府の定めるイベントの指針などを守り開催するマラソン大会が急に中止にせざるを得ない状況に、疑問を感じます。『ワクチン・検査パッケージ』(ワクチン接種証明書などがあればイベントなどの規制を緩和する仕組み)が突然停止となったことも含め、政治判断によって大会が中止せざるを得なくなったと言えます。
そもそも、海外では同様のレースが次々に開催されていますし、マラソンのように“密”になりにくい屋外イベントがなぜ真っ先に中止になるのか、と思います。ランナーは、旅費宿泊費のキャンセル料等の補償もないですし、練習してきた時間など失うことになってしまいます」