芸能

清原果耶『ファイトソング』で新境地 特殊な展開に視聴者はついていけるか

NHKの朝ドラ『おかえりモネ』に出演していた清原果耶(時事通信フォト)

運動神経もよい清原果耶(時事通信フォト)

 若手女優の中でも屈指の存在とされる清原果耶の新作はどうか。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。

 * * *
 清原果耶さんが民放ドラマに初主演ということで注目を集める『ファイトソング』(TBS系 火曜午後10時)。昨年はNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』で大活躍した清原さんだけあって、期待は大きく膨らみます。

 そもそも清原さんがまだ19才とはびっくり。やにわには信じられない落ち着き。受け答えも大人びています。朝ドラの百音という主人公は、内省的で引っ込み思案なタイプでしたが、その百音の特性を的確に理解し上手に演じ切った清原さん。

 さて、今回はヒューマンラブコメの主人公です。いかにこなすのか、こなせるのか。優等生的イメージを「崩す」ことができるのか、「落ちこぼれの側面や常識からのズレ」といった要素を演じることができるのか、興味津々です。

『ファイトソング』の物語は--主人公・木皿花枝(清原)は幼少期に母を亡くし父は家出してしまい、児童養護施設で育てられた。唯一熱中できるのが空手。日本代表を目指し勝ち上がっていくが、突如交通事故で夢を絶たれてしまう。しかも、事故の影響で聴神経腫瘍を患い、耳が聴こえなくなるのではとおびえて--。

 清原さん、まず第一話でさすがの運動神経を見せつけました。

 スポ根空手女子としての切れ味の良さ。構えの型に上段廻し蹴りと、股関節もしっかり開き腰が据わっている。そういえば以前、時代劇『螢草 菜々の剣』(NHKBS)で見せてくれた着物姿の鮮やかな殺陣を思い出しました。

 清原さんはそもそも運動が好きだそうで体育の成績は「5」とか。

 役者にとって「身体が自由に動く」という点はものすごく大きなアドバンテージです。注目の新人や人気女優はたくさんいるけれど、身体性の高さをアピールできる人ってそうそういない。

 では、肝心の演技の方はどうでしょうか? 今回のドラマで芸幅を広げることができるのか。

 花枝というキャラクターは、やわくない。幼い時から苦労を背負い、夢に破れて挫折。やる気を無くしぐうたらしているが、根は明るくスポ根で逆境を跳ね飛ばす勢いもあり、清掃業を仕事にしている--たしかにこれまでの清原さんのイメージとは一味違う「新境地」と言えそうです。

 花枝の部屋は散らかり放題、フリースにちょんまげのラフな格好で、鏡に向かって変顔してみたりと、フラットな三枚目に挑む清原さん。前とは違う役柄にサラリとなりきれていて、妙な力みも嫌みもないあたり、器の大きさを感じます。

 清原さん自身、「自分はこういうタイプ」と決めつけていない自由な感じも伝わってきます。まだ極悪人役や犯罪者役といった難しい領域に踏み込んでいないので、演技者として未知数の部分もありますが……。

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン