歴代のコスプレと比較すると若干“攻めた感”が薄い気もするが、ファンはいつもの落ち着いた藤井竜王とのギャップに注目したという。著書に『将棋「初段になれるかな」大会議』(扶桑社)などがある漫画家のさくらはな。氏はこう話す。
「藤井さんは将棋が強いだけではなく、若いのにしっかりしているっていうイメージがありますよね。ふざけたことも言わないし、失言とかもしないじゃないですか。言葉遣いも10代とは思えないような語彙で、ただただすごい。
でも今回の王将戦のコスプレでは、いつもは見られない無邪気な姿を見ることができました。藤井さんご自身がもともと鉄道ファンということもあって、嬉しそうにちょっとはにかむような笑顔を見せていましたよね。藤井さんの嬉しそうな表情を見て、ファンも『かわいい~』『癒やされる~!』と喜んでいました。
なかなか見られない柔らかい表情をされていたので、ファンからは『これは“勝者の罰ゲーム”ではなくて、ご褒美になっている気がする(笑)』という声も上がっていましたね」
今後の対局をファンはどんな気持ちで見守っているのか尋ねると、「渡辺さんと藤井さん、どちらかだけのファンという方は少ないので……おそらくみなさん複雑な心境でしょう」という。
「藤井さんはファンにとっては“スター”です。途中で『負けちゃうかな』っていう局面でも終盤の強さで逆転勝ちする。そういう逆転シーンって、やっぱりファンは見入ってしまいます。かと言って、将棋ファンの多くが藤井さんだけのファン、というわけでは決してないんです。渡辺さんも、藤井さんに匹敵するほど人気の棋士。凜としたたたずまいからはなかなか想像できないですが、ぬいぐるみ好きというかわいい一面もあります。
将棋以外のハプニングなどが起こることなく、藤井さんも渡辺さんも盤上で最善を尽くして納得のいく将棋を指してほしいと願っています」(さくらはな。氏)
第2局の開幕は1月22日(大阪府高槻市・山水館)。対局を制するのは「冬将軍」の渡辺名人か、史上最年少4冠の藤井竜王か。勝利の行方とともにどちらがどんなコスプレ姿を披露するかにも注目が集まる。