国内

子供のマスク着用の弊害 脳の酸素不足で学習意欲、登校意欲の低下も

発達に悪影響が(写真/PIXTA)

発達に悪影響が(写真/PIXTA)

 マスク生活が長期に及び、その弊害が指摘され始めている。昨年8月、米ブラウン大学が、幼児期の知能、コミュニケーション能力など認知機能の発達を分析。その結果、新型コロナのパンデミック以前(2011〜2019年)に生まれた3か月〜3才の乳幼児の認知機能のテストの平均スコアを100とすると、パンデミック中(2020、2021年)に生まれた乳幼児の平均スコアは78だった。なんと、その成績は約20%も低下していたのだ。

「マスクは、子供の脳から酸素を奪います」。そう主張したのはドイツの神経科医マーガレッタ・グリーズ・ブリッソン医師だ。彼女は子供がマスクの着用を続けると慢性的な酸欠状態になるとして、2020年に公開した動画で次のように警鐘を鳴らした。

「酸欠の一時的な警告症状として頭痛や眠気、めまい、集中力の低下などが起こります。しかし、慢性的に酸素が少ない状態が続けば、人体はそれに慣れていくので、頭痛などの警告症状は消えます。とはいえ、脳の酸素不足は進行し続けます。

 成長期の子供にとってマスクは絶対によくありません。子供と青年は非常に活発な適応免疫システムを持っています。若い人は脳も非常に活発で、学ぶことがたくさんあります。若者たちの脳は、常に酸素を渇望しているのです」

 私たちの脳は5才を過ぎても10代後半から20代にかけて、ゆっくりと成長していく。特に小学生の間は比較的、発達のスピードが速いし、その後も、脳の重量自体はほとんど変わらないものの、新しい経験や体験によって脳が活性化され、シナプスの通りがよくなる。そうして、「知能」も磨かれていく。

 そんな脳の発達にとって大切な時期に、マスクによって大切な酸素が足りていないとしたらどうなるか。脳神経外科医の嶋田裕記さんはいう。

「一般的に脳に酸素が足りない状態になると、ボーッとしたり、記憶力や集中力に影響が出たりするだけではありません。脳の活動が低下すれば、当然、幼少期や青年期の脳の発達にも影響があるでしょう。マスクをして日常生活をする分には重い酸欠になる可能性は低いですが、意識が混迷するような酸欠状態が続くと、脳細胞が死滅していきます。脳細胞は回復が難しいので、将来にわたって影響が残ることになります」

関連記事

トピックス

前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン