大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で北条時政の妻・りくを演じる宮沢りえ(48)。50歳を目前に引っ張りだこ大女優の素顔とは──。宮沢りえの少女時代から、“りえママ(宮沢光子さん)”を通じて交友があった女優・桃井かおり(70)。取材を申し込むと、拠点を移したロサンゼルスから、宮沢りえへの愛情にあふれたこんな熱いメッセージが届いた。
* * *
私がりえの家に行った次の日から、ウチとりえの家が近かったせいもあって、ひとりで和菓子なんか持って遊びに来てくれるようになって。その時15歳か16歳なんですね。私はりえママと年が近いから、ママの友達であるべきなんだけど(笑)。あの頃からりえちゃんはりえちゃんにしかない、何にも影響されてない、汚れなき美意識と正義があって、話していて勉強になるというか、もうすでに素敵なんですよ。
私が出会ったなかでいちばん人間として立派で、私が憧れ、信じた数少ない生き物です。
女優としてもそういった凄さ、あるでしょ? 主人公になりえる生き様をしている。何があっても、どう生きても、芝居を見ているとどうにかしている。
いちばん印象に残ってるのは、ある日りえママが電話をくれて“何日から何日まで空いてる? NY行かない?”って。急に私とりえちゃんをファーストクラスに乗っけてNYに連れて行ってくれたんです。とにかくりえママって人は太っ腹で、大きい人間でしたからね。何から何まで段取りして。
時々りえちゃんと2人で勇気出して抜け出して、悪さしに行くんだけど、なぜかりえママには何もかもバレる(笑)。
熱々アップルパイにホイップクリームを乗っけて隠れて食べた! とか。りえママにバレる度に2人で吹き出して、めちゃくちゃ笑って楽しくて。
なんか私もしてあげたいのにいつもされてばかりで、何もいまだに返せていません。
りえが前いたLAに今私は住んでるわけですけど、よく昔りえたちが住んでたマンションの前を通るんですね。そんな時は“元気かい!”とただ声かけてます。
私が心配しなくても、りえは大丈夫。
※週刊ポスト2022年2月11日号