しょうがは加熱した方が効果が高まる
想像以上にしょうがか効果的
2位にトリプルスコア以上の差をつけて「体を温める食品」の首位に君臨したのは、しょうがだ。票を投じた秋葉原駅クリニック医師の佐々木欧さんが解説する。
「しょうがの辛み成分である『ジンゲロール』には血行を促し、体を温める働きがあります。加熱すると『ショウガオール』と呼ばれる成分に変化し、さらに温熱効果が高くなります。そのため、生で食べるよりも熱を加えて調理することを推奨します」
みやま市工藤内科院長の工藤孝文さんは、しょうがに高い抗菌作用があることに注目する。
「血行や発汗を促し、体を温めてくれるのはもちろん、ショウガオールには高い抗菌効果や抗酸化作用もあり、免疫力の向上も期待できます。咳や痰など呼吸器の症状にも有効で、アメリカでは喘息症状も改善されたという論文が発表されています。ウイルスや菌が蔓延するこの時期こそ、積極的にしょうがを食べてほしい」
にんにくや長ねぎ、にらなど、ランキング上位にはしょうがと並んで風味豊かな野菜が多く名を連ねたが、これらには共通した“温熱成分”が含まれている。管理栄養士の中沢るみさんが解説する。
「『アリシン』と呼ばれる香気成分で、血行を促し、体を温める働きがあります。にんにくの場合、細かく刻むほどアリシンが増え、加熱するとより効果が高まります。長ねぎや玉ねぎも同様のため、炒めものなどにして食べるのがいいでしょう」
国際中医専門員の田中友也さんは東洋医学の観点から、にらに一票を投じた。
「漢方の世界で、にらは別名を『壮陽草』といい、体を温める“陽気”が強いといわれています。アリシンには滋養強壮作用もあり、疲れやすい人、肩こりや腰痛に悩まされている人にも最適です。スープやみそ汁に入れるなど、温かくしてたっぷり摂ってください」