日々のちょっとした工夫が大切
「寒い冬に熱いお茶やコーヒーで暖を取ろうとする人は多いですが、逆効果。これらが含有するカフェインには利尿作用と血管収縮作用がある。一時的に体温が上がっても、その後すぐに急降下します。もしコーヒーを飲むならば、豆乳や牛乳の入ったカフェオレを選べば、熱を作り出すたんぱく質を体内に取り入れることができるため、多少は体が温まります」
冷蔵庫に牛乳や豆乳を準備しておく必要がありそうだ。緑茶やコーヒーとは反対に、多くの専門家が「体を温める飲み物」として推奨するのはポリフェノールたっぷりのココアだ。
「カカオポリフェノールには血管を拡張させ、血流をよくする働きが。実際に森永製菓がサーモグラフィーを使い、さまざまな飲み物を飲んだ後の体内の状態を比較する実験を行ったところ、最も手の温かさが長く続いたのがココアだったという調査結果もあります」(石原さん)
“ちょい足し白湯”と入浴で温活
食べ物に気を配り、体の中から熱を作り出すとともに取り組みたいのが、日常生活において熱を逃がさないための生活習慣の改善だ。石原さんがまず推奨するのは、朝の“ちょい足し白湯”だ。
「起き抜けの体は体温が低く、胃腸や内臓も半分眠っているような状態のため、温かいものを飲むことで活性化させるのは重要ですが、ただの白湯は胃腸に届くとすぐに水に変わり、かえって体を冷やすケースもある。体を温めるためにはしょうがの搾り汁や粉末、シナモン、はちみつなど、温熱成分を持つ食品を白湯に“ちょい足し”してください。温かさがより持続するうえ、おいしく飲むことができます」(石原さん)
ただし、飲みすぎには注意したい。水を必要以上に飲みすぎると体内の水分量が増え、排出するために熱が必要になり、その結果、体温が下がってしまうからだ。また、温まった体を冷やさないために、外側から熱を加えることも大切だ。
「冷えやすい人は、食事内容の改善と並行して、腹巻きやひざ掛けで外側からも体を温めてほしい。ひざ掛けでカバーできる足の付け根は太い血管が通っており、ここを温めれば全身に効果があります。腹巻きは締め付けの少ないタイプを選ぶべし。これらで便秘や下痢、生理不順などの不調が緩和されたというケースも少なくありません。
また、必ず湯船につかることも忘れずに。38〜40℃の湯で、最初は湯船に沈み込んで5分間の全身浴をし、次に15分半身浴をすると体の芯から温まります」(松村さん)
冷え知らずの体が手に入れば冬の寒さも怖くない。
※女性セブン2022年2月17・24日号