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高田文夫氏が回顧 アイドルだけど時代劇ものが絶品だった元祖「御三家」

「御三家」について振り返る

「御三家」について振り返る

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は西郷輝彦さんの訃報をうけて、「御三家」について回顧する。

 * * *
 西郷輝彦(享年75)が力尽きた。橋幸夫、舟木一夫と共に「御三家」と呼ばれ大変な人気を博した。『君だけを』でデビューしていきなり大ヒット、『十七才のこの胸に』を歌っていた時、私は15歳。代表曲は『星のフラメンコ』。

 私は御三家のヒットの中でも意外に時代劇のものが好みで、橋は勿論『潮来笠』縞の合羽に三度笠である。舟木は絶品『銭形平次』。“男だったら ひとつに賭ける かけてもつれた謎をとく”である。

 そして西郷は『江戸を斬る』の遠山金四郎。最近の若い人は、あまり時代劇はやらないネ。ジャニーズの“清水次郎長一家”とかないものな。

 私のような古い人間なら覚えているだろう、この「御三家」に三田明(美しい十代)を加えると「四天王」と呼ぶ場合もあった事を。“青春歌謡”が大全盛の時代です。梶光夫、安達明、叶修二なんて方もいました。我々団塊の世代の姉たちが夢中になった「平凡」「明星」時代です。少し前まで歌謡界は御大たちの四天王が牛耳っておりました。三橋美智也、春日八郎、三波春夫、村田英雄。この名前がいまという時代に並ぶと凄いですネ。

「御三家」の次の時代「新御三家」と呼ばれたのが郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎。西郷輝彦のようにここでもひとり、西城秀樹が亡くなっています。西郷に西城、不思議なめぐりあわせです。

 日本人は古くから「三」という数字が好きなようで、芸能界でもやたら「三」でくくります。「花の中三トリオ」と呼ばれたのが山口百恵、森昌子、桜田淳子。もう誰ひとり芸能界にはいません。その前の三人娘が小柳ルミ子、天地真理、南沙織。小柳は今サッカー界でガンバッております。その昔スパーク3人娘と呼ばれていたのが中尾ミエ、伊東ゆかり、園まり。スマイリー小原が指揮する『スパーク・ショー』などで踊っておりました。そして何より「元祖・三人娘」が美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみです。どうです? お父さんたち、懐しさに涙がチョチョギレそうでしょ。

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